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山頭火

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雨だれの音も年とった


山頭火が床に入って眠れぬ夜をもてあましていると、どうやら夜半から雨が降り出したらしい。
 軒から滴り落ちる雨だれの音が妙に耳につく。

その単調なくり返しのなか、夢かうつつかまどろんでいると、放浪しつづける日々が脳裏をかけめぐる・・・
 ふと、また耳を澄ませれば、雨だれが相変わらず闇の中に響いている。しかし今度は、思い出に囚われていた山頭火にはその音さえも、過去を引きずりくたびれたように感じられるのだった・・・

ここに至って山頭火と雨だれはイメージの中で同化し、重力に引き込まれるように時の流れと夜の闇の深淵に埋没してゆくのです。

聴覚と過ぎ去った時への愛しさを、瞬間的に結び付けてしまう、五感の魔術のような句。しずかな、そして哀しい闇の中で...


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