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山頭火

山頭火

山頭火の俳句をご紹介していきます





よい宿でどちらも山で前は酒屋で


今回は、満足そうな山頭火の顔が思い浮かんでくるような微笑ましい句を。

山頭火は、山が大好きだったようです。自分の足音しか聞こえないような深山幽谷や、薫風香る新緑の野道、そして落葉の舞い散る林の中など、自分が自然と一体化できるような雰囲気を愛したらしい。この点、終生海にこだわった放哉とは対照的です。

さて、その日の行乞を終えて、今宵の宿はここにしようかと落ち着いてみれば四方を大好きな山に囲まれている上に、なんとまん前に造り酒屋があるではないか。

一風呂浴びてアカを落としてから、酒屋でとろとろとした地酒を一合飲みほしてほっと一息。さらにもう一杯をいただき、あらためて見回せば薄暮の中に煙る山並み。いいなあ。心地いいなあ。

普通ならばここでその感動を一句というところなのでしょうが、山頭火は自分がいる素晴らしい環境だけを素直に客観的な句にしてしまうのです。
 とにかく『よい宿』なのです。この感慨は自分だけのものであるとでも言いたげに...


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