おかえり.jp 酒と山頭火 山頭火の俳句 これが山頭火 山頭火の一生 山頭火の日記

山頭火

山頭火

山頭火の俳句をご紹介していきます





捨てきれない荷物のおもさまへうしろ


今回は、山頭火が思わず漏らした溜息のような句です。

どんなに傍から幸せそうに見える人でも、重い荷物を背負っているものです。
 それに潰されるか、それともそれを良い方向に持っていけるかどうかで、その人の価値が定まるのでしょう。・・・とはいいながら、その荷物にうんうん唸りながら、あっちにふらふらこっちにふらふら、というのも人間臭くて味があるのではないでしょうか。

さて、その荷物とは何か。生まれつき背負ってしまうものももちろんあるでしょうが、一方身から出たサビで背負ってしまったものもあるのです。そして、悟りを開くために捨てよう捨てようと思いながらも捨てかねているものもあるでしょう。

何もかも捨て去ったように飄々としていた山頭火にも、実はどろどろとした荷物がありました。

母を自殺という形で失った断腸の思い、地元の名家といわれた種田家を背負うべき立場にありながら父と共に潰してしまった悔恨と懺悔の情、妻と息子を放り出して放浪の旅に逃避してしまった自責の思い、酒や女への欲望を抑えきれない自分への嫌悪の情、並べ立てればきりがありません。

そんな荷物が『まへうしろ』にあります。そう、これからも荷物は増えていくのでありましょう。

そんなことを思いながら木賃宿の部屋の一角で横になる山頭火。今夜も酒で自分をごまかしながら眠りにつくのです。


★山頭火の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 山頭火の俳句

         


☆本ページはリンクフリーです。酒と山頭火を心行くまで味わいましょう。