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山頭火

山頭火

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みんなかへる家はあるゆふべのゆきき


月日は夢のように過ぎ、年を経るとともに加速度をつけていきます。今回は、師走に相応しい一句を。

山頭火は放浪の中で何度か街中で羽目をはずしています。
 山頭火とて人の子、といってはそれまでですが、生来の遊び好きですから雑踏やネオン街には胸が躍って欲望を抑えられないことが多かったのでしょう。
 ああ、煩悩の捨てきれぬ山頭火よ。

特に直前に友人や咲野、あるいは息子の健からの仕送りがあったりするといけません。
 とたんにかつての山頭火に戻り、刹那的な御馳走をつついたり遊興に溺れたりしたようです。もっとも、仕送り金を大事に貯金してつつましく粗食をとりながら老後に備える・・・なんてことは山頭火には似合いそうもないですけれど。

久しぶりに贅沢をして、さて外に出てみれば、もはや夜は更けて、家路につく人の群れに山頭火は飲み込まれます。
 しかしながら、山頭火には戻る家はなく帰りを待つ家族はとうに自ら捨て去ってしまっています。

そうだ。私は皆とは違うのだ。しかもそれは自分で選んだことではないか。

人々の行き来の中で、思わず自分の境遇をかみしめながら、ようやっと今宵の仮の宿を探しはじめる山頭火。
 酔いもとうに醒めて苦い思いをしながら眠れぬ夜を過ごすのでしょう。


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