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山頭火

山頭火

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ぼろ着て着ぶくれておめでたい顔で


新しい年が明ければ、なにはともあれめでたいことです。今回の句は『草木塔』の「柿の葉」からのもの。

其中庵で食うや食わずのあてのない暮らしを続ける山頭火にも正月はやってきます。
 餅や御節があるわけでもなく、静かで侘びしい独り住まいの正月です。山頭火もなけなしの財布を叩いて少し多めのお屠蘇でも味わったのでしょうか。

ちょいといい気分になって水でも飲もうとするや、その水面に、好々爺とでもいいたくなるような自分の影が映ります。

なんとまあぼろの着物を着て、しかも寒そうに着ぶくれて、それでいながらちょっと幸せそうな自分の顔であることよ。

流れ流れて旅に疲れ、やっと落ち着くことの出来た庵の中で、のんびりと迎えられた正月が嬉しくてたまらない山頭火が居ます。
 何ももってはいないけれど満ち足りている山頭火がいるのです。


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