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山頭火

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涸れきった川を渡る


立春を過ぎると、さあそれから本当の寒さがやって来ます。しばしちぢこまって過ごしましょう。柔らかな春風を待ちわびながら。

冬枯れという言葉そのままのような枯れ野を彷徨う放浪人山頭火。
 木枯らしに吹かれるまま山道を抜けて、行き先が開けたと思いきやそこは川岸であった。
 夏には滔々と清水の流れているであろうその川は、乾燥しきった凍てた土に水を吸われて哀れな川底をさらけ出している。渡るに造作ないのは有り難いものの、何よりも水が大好きな山頭火にとって、慰めてくれる水面のないこの川のなんと物寂しくうら哀しいことよ。

涸れきった川、それは次第に朽ち果ててゆく山頭火の行く末を暗示するものではなかったか。
 川は時の移ろいを映し、人の浮き沈みを静かに見つめながら四季の輪廻の中で形を変え続ける。人がこの世に別れを告げ、あの世に旅立つ時に渡るのも三途の川なのだ。

そんな不吉な思いを無理に頭(かぶり)を振って打ち消しながら、また山頭火はしっかと歩み始める。
 そう、歩いていればいつかは春風がこんな私でも包んでくれる日が来ることは確かなのだから。


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