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山頭火

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酒をたべてゐる山は枯れてゐる


一日を終えた山頭火、いつになく静かな夕げを迎えています。
 幸い今夜はこの部屋を独占できそうだ。やれやれ・・・何といっても酒に生かされているような山頭火にとって夕べの一杯は、我々の晩酌以上に充実した大事なひとときなのでありましょう。 

口に入れるものがなくてひもじい思いをすることも多いけれど、今夜はこうして落ち着いて杯を傾けられる時間が持てた。そのことをたまらなく嬉しく感じながら、ひとりぼっちの宴がひっそりと始まります。
 肴なんてものはもとよりあるはずもなし、決して山頭火にとって十分多くはない酒をゆっくりあおってはかみしめるように味わいつつのど越しを楽しみます。

それはまさしく「のんでゐる」のではなく「たべてゐる」のであり、放浪坊主の山頭火のささやかな感謝の想いであります。

破れかけた障子の向こうには、冬枯れの山がか弱い夕日に照らされています。青い山が好きな山頭火にとってまさに芯から淋しい季節ではあります。
 そう、このひとときの享楽が終わってしまえば、せんべい布団で眠れぬ夜を過ごし、またあの枯れた山を歩いていかねばならないのだ。そう思うと、酒の味も少しほろ苦く思えてくるのでした。

我々も、家族というぬくもりに包まれる時間なんて実は一生の内のほんの一時であります。後は、このせち辛い世間の中でもまれ流されていく一葉なのです。
 そう思うとせつなくなりますが、まあ今夜の憂さは酒の一杯で胸に閉じこめておきましょう。

さ!もう一杯いきますか?


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