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山頭火

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焼き捨てて日記の灰のこれだけか


年が明けると、新たに何かを始めようとしている方もいらっしゃるでしょう。心機一転して日記をつけ始めたという人も・・・
 そんな風潮にちょっとした皮肉というわけではないのですが、ほんの一石を投じる一句を。

山頭火の日記は、拙サイトでも一部ご紹介しているようにかなり残されているのですが、一度山頭火は自分の日記を全部焼いてしまったことがあったようです。
 それも放浪を始めた初期の方で、衝動的な行動であったのか、それとも随分悩んだ末なのかは分かりませんが、我々からするとなんとも惜しい気がします。

それでも山頭火の身からすれば、消し去りたい(今風にいえばリセットしたい)ことが多かったのでしょうか。
 放浪の中期以後とは異なり、まだまだ本当の覚悟が決まっておらず、俗世間と行ったり来たりのふらふらした時期であり、内容もかなり本意でないことが多かったのかもしれません。

それにしてもそんなに短い期間でもない間にため込んだ日記を焼き捨ててみれば、残った灰のなんと少ないことよ。
 この少なさはくだらなく中身の乏しい自分の生き様を嘲笑するようであり、過去を吹っ切ってしまおうという前向きな気持ちをちょっとばかりくじくものです。
 それとともに少ない灰と化した日記に対する愛惜の念も生じたでしょう。

所詮、生きているかぎり過去は現在とつながっており、未来はその先にあるもので、その鎖を断ち切ることなど一個の人間には出来ることではありません。そうであるからこそ一瞬一瞬を大切にしなければならないのです。
 すでに消散していった煙に消えた大部分の日記に改めて済まなく思いながら、明日からの行乞生活に向けて気を引き締める山頭火なのでした。


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