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山頭火

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空へ若竹のなやみなし


今回はちょっと元気のいい句で景気付けといきましょう・・・
 ちょっとは世の中の閉塞状況の世の中にお役に立てれば・・・なんて大それた考えはもちろんありませんが。

山頭火は、一つ場所に留まることがなかなか出来ませんでした。

それは単に、落ち着いて生業に励むということが出来ない、というだらしない面からばかりではないようです。
 むしろ無心に一つの仕事に集中しえないような・・・常に悩み苦しむことに忙殺されていたような・・・そんなところにも原因があるような気がします。
 静水のように一糸乱れぬ境地を求める心とは裏腹に、留まることによって自分が濁ってゆくのではないかという不安をかき消したいがために旅から旅への放浪の人生に身を置いたのではないでしょうか。
 しかし、そうこうしているうちに自分でこう生きてみたいという理想から益々離れていく目の前の現実に、許せない自分と妥協していく自分との葛藤。そして年を経るごとに諦観がまさってくることへの敗北感。

そんな山頭火にとって、まだ竹の子から飛び出したばかりの若竹が空へ突き抜けんとするような雄壮で純粋な姿は、なんと眩く映ったことだろうか。まるで何の悩みもなかった自分の子供時代(母が自殺するまででもあろうか)が眼前に再現されたことに戸惑いながらも、何か懐かしくも嬉しい感情が湧いてきたのではないでしょうか。

もちろんこの若竹も、生々流転の中で自然界の掟の中で、もまれ苦しみもがいていくことであろう。しかしそれを知ってか知らずか、真っすぐ空を天を目指しているその瑞々しい煌めきに、山頭火は深く感じ入ったに違いありません。

世紀が変わったことをきっかけにして、この日本もかつての、この若竹のような輝きを取り戻していけるのでしょうか。その答えはきっと歴史が出すのでしょうけれども。


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