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山頭火

山頭火

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雷をまぢかに覚めてかしこまる


今回は天気にまつわる句は如何でしょう。

春はあけぼの、とは申せ、春眠をむさぼるのは今も昔も同じ。特に冬から春へさしかかる早春賦の似合う頃からたまらない眠気に襲われ、欠伸(あくび)と共に気もゆるみがちになってしまうものです。

山頭火も例外ではありますまい。この朝は、暁を覚えず、といった風で布団にくるまっていたのでしょうか。朝のおつとめもちょっと今日は勘弁してもらおうか・・・そんなところだったのでしょうか。

そこへ春の嵐。野分のような風の音に戸がばたばたと鳴るのに続いて、カッと稲妻が走り、大音響に山頭火はたたき起こされるのです。
 さっきまでのぬくぬくとした眠りから暫く呆然とする山頭火。雷はさらに間近に迫り、床から突き上げられるような音が身を揺らします。

しかしここで山頭火は、はっとして、かしこまり御仏に手を合わせて、緩みきっていた自らを恥じ、経を唱えだすのでした。

稲妻は一向に止みそうもありません。布団をたたみ、身支度を整え、庵の中でかしこまってまるで誰かに叱責されているかのようにうな垂れている一人の山頭火。
 御仏の恩である皆の報謝を無駄にしてはいないか・・・生かされている身を粗末にしてはいないか・・・天の怒りを一心に受け止めながら、自らを引き締め、再び行乞への覚悟を新たにしている山頭火です。

天候の変化にいちいち意味を当てはめてみることを笑う勿れ。バベルの塔の伝説のごとく、慢心し傲慢な人間を懲らしめる某かの超越的な存在があると考えて我が身を省みることも人間が天から授けられた能力ではないのでしょうか。


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