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山頭火

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ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない


地球温暖化の影響でしょうか。年々夏の気温はうなぎのぼり。クーラーのお世話にならなくては眠りにつけない辛い時候です。
 今回はそんな寝苦しい夜に相応しい句は如何でしょう。

子供の頃、田舎の祖母の家に泊まった夜など、「ホウ…ホウ…」とふくろうの低くそれでいながら響く鳴き声がなんとなく空恐ろしくて、なかなか寝つけなかったことがありました。
 昼間は殆ど姿が見えないのに、夜中中ずっと起きている生き物が子供にはとても不気味に思えたものです。

山頭火はといえば、放浪の途上、木賃宿の部屋や野宿をした山中などで、何度となくふくろうの声を聞いたはずですが、我々とはちょっと違う感じ方をしていたのではあるまいか。

人様に頭を下げ、時には罵声を浴びながらもじっと耐えながら施しを受ける乞食坊主であり続けなければならない自分の境遇を、決して諦観をもって静かに受け止め続けている程悟りきっているわけではなく、かといって真人間に戻って浮世に混じろうという意志を持つでもなく、ゆらゆら彷徨う自分の心を持て余し、ぐったり身体は疲れ果てているのに、ちっとも眠りに落ちていかないもどかしさに、時間ばかりがただ経っていく。

そんなとき、山頭火の魂はいつしかどこかに潜むふくろうと、まるで旧友同士のように共感しつつ、徒に朝を待ちながら虚空を通じて語り合います。

しかしそれでも、「ふくろうはふくろうで」「わたしはわたしで」。
 いつも一人の山頭火。


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