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山頭火

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ひっそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり


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今年の冬も寒かった・・・でも、やっぱり季節は巡り春がやって来ました。日差しは暖かく、外を歩いてもなんだか気もそぞろです。
 山頭火も春が来るのは嬉しいかぎり、です。しかし表街道の真ん中を歩けるほどの身ではない以上、その喜びもひっそりとせざるを得ません。そんなひそかな想いが表れた一句を。

日の当たる街道筋を歩いてきた山頭火、ころげまわる子犬や道を横切るひらひらちょうちょにいい気分になっていると何だか行乞の身を忘れてしまいそうになります。やっとおさまりかけた煩悩の虫もむくむくと・・・そんな中、ふいと脇道にそれて山頭火はハッとします。

しんとした細い道に、木漏れ日が一つ差し二つ差し、その脇にぺんぺん草(春の七草にも出てくるナズナのこと)が一面に花を盛っている。その地味ながら健気な様子に息を飲みます。普段は雑草としてしか感じていない花が気高く尊く思えてくるのでした。

日向道では派手な花たちの陰になり目立たないこの草が、少ない日当たりの中で精一杯命を燃やしているさまは、まさに自分の目指す姿ではないか。春に浮かれている自分、本分を忘れそうな自分に、こういう姿で仏様は諭してくれたのだったか。思わず目を閉じ、一礼して経を読みつつ歩を進めていくのでした。

今の我々にも教えられるような発見の秀句です。


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