おかえり.jp 酒と山頭火 山頭火の俳句 これが山頭火 山頭火の一生 山頭火の日記

山頭火

山頭火

山頭火の俳句をご紹介していきます





いさましくもかなしくも白い凾


今回は、『銃後』という章からの句です。前書きには、「遺骨を迎へて」とあります。

山頭火は太平洋戦争が本格的に激しくなる前に亡くなっています。だからこれはまだ、本当に悲惨な時期になる前の出来事であったと思われます。

いつものように山頭火が行乞して歩いていると、目の前ににぎやかな葬列が現れました。天晴れ母国のために散らした命の潔さやよし。数限りなく日の丸ははためきます。
 その下で、言葉無く俯く姿二つ。それは老いた父母でもあろうか。感情を出せぬ辛さに唇をかみしめ瞠目するばかりであります。目の前の函(はこ)の中には数か月前に送り出した手塩にかけて育てた息子の遺骨があるのであろう。

そのさまを読経することも忘れ立ち尽くしている山頭火。まばゆいばかりの白い函には、祖国の土を守ろうとして果てた兵士の勇ましさと、残された者の切ない哀しみが交錯しています。殺生を禁じているのはどの国でもどの宗教でも同じはず。それでも同じことを繰り返さずにはいられない人間の愚よ。そう思いながらあらためて合掌するばかりの山頭火でありました。


★山頭火の他の俳句にもご興味のある方はこちらへ → 山頭火の俳句

         


☆本ページはリンクフリーです。酒と山頭火を心行くまで味わいましょう。