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山頭火

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咳がやまない背中をたたく手がない


今回は、『草木塔』の「孤寒」という章からの句です。
 まさに章の名の通り、ただでさえ寒い冬に孤独の凍えがしみとおります。放哉の句と見間違えるような句感です。

山頭火は、基本的には身体は丈夫でありました。
 とはいえ、野宿も当たり前で空きっ腹に酒をあおる放浪の日々を送っていたのですから、生活習慣病に怯える現代人も真っ青な程、不摂生も極まれり、という有様。すきま風の入る粗末な庵の中では、風邪をひくことも多かったと思われます。

薄いお茶でもすすっていた時なのでもありましょうか。不意に咳きこんでしまいました。

そうなるといけません。息が出来なくなるのでは、と思われるくらいに咳が続いてしまいます。あまりの体力の消耗に目まいをしそうになりながら板の間でのたうち回る山頭火。

「近くに誰かがいてくれたら・・・」背中をたたいてくれる人といっても庵にはいるはずもなし。毎日顔を出してくれる知り合いも、こういう時には間が悪いものでまだ来てはくれない様子。栄養の少ないこの身、肺の病にでもなったら・・・こういうときは悪いことしか考えられなくなってしまいます。

ようやく咳がおさまったものの、息苦しさもまだ残る中、あらためて自分以外に人気のない淋しさを思います。きっとこの世の誰一人として、山頭火のこの一時の苦しみを知ることはないのです。

さみしいね、山頭火さん。


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