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山頭火

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ころり寝ころべば青空


今回は、『草木塔』の「雑草風景」という章からの句です。
 桜前線北上のニュースにわけもなく気もそぞろになってくる季節、冬の間に閑散としていた河川敷や公園、そして近くの原っぱにも人が繰り出してきます。窓の外のポカポカ陽気に「室内で仕事なんてやってられねぇなぁ」なぞと思う方も多いのではないでしょうか。
 そんな時分にピッタリのこんな句はいかがでしょう。

山頭火の俳句の中でも素直な気持ちがズドーンと出ており、誰もが共感できるようなこの感覚。
 山頭火とて緑萌ゆる季節に心が浮き立ってくるのはもちろんでありますが、そんな気持ちも我が身を思えば、なにやら萎(しぼ)んでしまいます。
 来る日も来る日も地べたをはい回って行乞して人様のお世話になっている自分。ちょっとしたことで一喜一憂し、時には自棄(ヤケ)になって大事な俳友にまでも迷惑をかけてしまう自分。ああ、なんでこうまで私は愚かでダメな奴なのか・・・暫し足が止まって、ついには道端にゴロンと。

さすれば、青い空がいきなり目に飛び込んできます。春のせいかか少し霞がかかったような感じとはいえ、プカプカ浮かぶ雲を従えて優しいお日様が自分を包み込んでくれるよう・・・まわりでは鳥の声が遠くの方でピーチクパーチクと。

・・・おっといけない、このまま気持ちよう眠ってしまっては今夜のめしにありつけなくなるわい。
 あわてて目を開けるものの、ますます日差しは心地よく、薫風が吹き抜けていけば、いつしかさっきのいやな思いも洗われて心が軽くなってくるのでした。

私たちは普段、視線を自分の身長以上にはなかなか上げないものです。ときどき見上げてみても目にはいるのは何やらよそよそしいビルディングやけばけばしい広告看板ばかり。だからこそたまにはちょっと見晴らしのいいところに出て寝っ転がり、空でも眺めてみてはどうでしょう。普通とは違う景色に煮詰まった気持ちがリセット出来るのではないでしょうか。

さて・・・日も長くなったしもうちょっとおつとめを続けようか、と立ち上がり草を払う山頭火。気分はすっかりリフレッシュであります。


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