トップページ おすすめクラシック モーツァルト シューマンの交響曲 ハイドンの交響曲 組曲 小品 管理人紹介

音符

クラシック音楽を聴くのが
楽しくなるサイト

クラシック音楽を聴くのが楽しくなるポイントをまとめたサイトです。
音楽を専門に学んだ方のない方もお気軽にご覧ください。

音符
おすすめクラシック作曲家別交響曲ランキングモーツァルトを聴くハイドンの交響曲シューマンの交響曲おすすめのクラシック組曲おすすめのクラシック小品

音符 2. 曲の形式について 音符

ここでは、曲の形式について説明します。「楽式」という言い方もします。1つ1つの曲がどういうパターンで出来ているかということで、これを元に曲の理解をします。

クラシック音楽をずっと楽しんでいくには、形式をある程度理解しておいた方が断然いいと思います。基本的な構造がわかっていれば、今曲のどういう部分にあるのか、そこで作曲家がどういう工夫をしているのか、曲のテーマやモチーフがどのように展開されていくのか、という目星がつきやすく、ある程度長い曲であっても飽きたり迷子になったりすることが少なくなるでしょう。

ほとんどの場合、ブックレットには各曲がどんな形式であるかが書かれていますので、その参考にこのページの情報を利用して下さい。

まずは、おそらくよく目にするであろう「ソナタ形式」から説明します。

音符ソナタ形式音符

  • 提示部…第1主題、経過部、第2主題、小結尾部(コデッタ)が順に現れる。但し、第2主題以降は調性が異なる。そのため、経過部では「転調」という調性を変える部分が含まれる。提示部は繰り返されることが多い。
  • 展開部…第1主題あるいは第2主題などの提示部で現れたモチーフが、調を変えたり一部形を変えたり重ねたりして多様に展開・発展される。作曲家の一番の”腕の見せどころ”。
  • 再現部…提示部が再現される。但し、ここでは第2主題以降も同じ調になる。
  • 結尾部(終結部)…曲を終わらせる部分で、「コーダ(Coda)」とも言う。

提示部の前に序奏(導入部とも)がつく場合があります。

     

さて、ここで、”第1主題と第2主題では「調性」が異なる”ということが出てきました。

「調性」とはハ長調、イ短調のように、その曲がどんな音階を基準につくられているかということを表しますが、曲の中でずっと同じということはまずありません。調性が揺れ動くことにより曲の表情を変えることが出来るので、作曲家の技の一つになっています。

ソナタ形式では、この各主題の調性にも法則があります。

音符(ソナタ形式における)第1主題と第2主題の調性音符

(1)主調が長調の場合 ( )内はハ長調での例

  • 提示部 第1主題…主調(ハ長調) 第2主題…5度上の調【属調】(ト長調)
  • 再現部 第1主題…主調(ハ長調) 第2主題…主調(ハ長調)

(2)主調が短調の場合 ( )内はイ短調での例

  • 提示部 第1主題…主調(イ短調) 第2主題…主調と調号が同じ長調【並行調】(ハ長調)
  • 再現部 第1主題…主調(イ短調) 第2主題…主調(イ短調)、または主調と同じ主音をもつ長調【同主調】(イ長調)

(2)では、同主調、つまり長調のままで曲を終わることもある。ハイドンはこのパターンが多い。

複雑な感じがしますが、提示部では第2主題では調性が変わる、そして再現部では第1主題とほぼ同じ調性になる、ということだけ覚えておけば問題ないでしょう。

…というのは、以上の原則を守っているのは古典派の最初くらいまでで、ロマン派あたりになると平気で勝手な調に転調してしまうからです。

ここで、簡単な曲でソナタ形式を図式化しましたのでご参考に。クレメンティ作曲のピアノ用のソナチネ作品36の1から第1楽章です。
 (楽譜を読まない方はすっ飛ばしてもらって結構です)

ソナタ形式の分析

次は「協奏ソナタ形式」です。ソナタ形式の発展形なのですが、独奏楽器が活躍する曲の特性上、少々複雑なことになっています。でも特徴を飲み込めば大丈夫。

音符協奏ソナタ形式音符

古典派からロマン派にかけて、協奏曲の第1楽章に主に用いられた形式。

  • 第1提示部…オーケストラ側だけで演奏される。第1主題、経過部、第2主題、小結尾部が順に現れる。「ソナタ形式」と異なり第2主題以降で調性が変わることはない。提示部は繰り返されない。
  • 第2提示部…独奏楽器が主でオーケストラは伴奏側になる。「アインガング」と呼ばれる独奏楽器による導入の後で、第1主題、経過部、第2主題、小結尾部が順に現れる。ここでは第2主題以降は転調される。
  • 展開部…ソナタ形式の展開部と同様だが、主題の展開よりも、独奏楽器の華やかな演奏が中心に繰り広げられることが多い。
  • 再現部…第2提示部の内容が再現される。但し、ここでは第2主題以降も同じ調になる。最後に「偽終止」と呼ばれる、終止ではないが音楽が止んでカデンツァとなる。
  • カデンツァ…独奏者のみで演奏され、自らの技巧を誇示する最大の見せ場。元々はアドリブで即興演奏されたそうだが、作曲家がつくったものを演奏されることの方が多い。最後にトレモロ状態になって待ち状態になり、それを合図にオーケストラが加わる。
  • 結尾部…曲を終わらせる部分で、「コーダ(Coda)」とも言う。

提示部が2つある分、冗長になりやすいので、第1提示部は短くごくあっさりと済ませることが多いです(特にモーツァルト)。

例として、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番 の第1楽章を挙げます。ほぼ上記の流れに沿っています。


次は三部形式です。舞曲、行進曲などでよく使われます。

音符三部形式音符

構造が単純なので多くの小品に使われます。また交響曲などの大抵の楽曲の第3楽章のメヌエットあるいはスケルツォに使われます。

  • 三部形式…A(主部) - B(中間部[トリオ]) - A

この主部と中間部が、さらにいくつかの部分でできているものを、複合三部形式といいます。例えば以下のようなもの。

  • 複合三部形式…【A-B-A】(主部) - 【C-D-C】(中間部) - 【A-B-A】(主部)

前後の主部に挟まれた中間部は「トリオ」とも呼ばれ、音の強弱や楽器使用法を対照的にしていることが多いです。調性を変えることもあります。

例として、モーツァルトの交響曲第40番 の第3楽章を挙げます。ト短調で緊張した主部と、ト長調で牧歌的な中間部の対比が見事です。


次にロンド形式です。同じ主題が、別の主題を挟みながら何度も繰り返されるのが特徴で、「輪舞形式」と呼ぶことがあります。

音符ロンド形式音符

基本的には三部形式の延長です。規模により、小ロンド形式と大ロンド形式があります。

  • 小ロンド形式…A - B - A - C - A
  • 大ロンド形式…A - B - A - C - A - B - A

目先が次々と変わって飽きがこないので、古典派の協奏曲の終曲などに使われることが多い形式です。Cの部分が短調になることが多いです。

次はフーガ形式とカノン形式です。

音符フーガ形式・カノン形式音符

和声(ハーモニー)が確立される前は、複数の旋律が絡み合うように同時に演奏される「対位法」という技法が主でした。この中で最も高度に洗練されバッハによって完成された形式が「フーガ(fuga)」であり、ある意味最も単純な形式が「カノン(canon)」です。独立な曲名としても使われます。

  • フーガ…主旋律に対して、五度上から追いかけ、次は同じ音程(オクターヴ離すのが普通)で追いかけ、また五度上から…というのが基本的なフーガです。ここで「●度」というのは離れた音程の数え方で、五度は「ハ」(ドの音)と「ト」(ソの音)のような関係です。独立して演奏する単位を「声部」といい、その数によって「●声のフーガ」という言い方をします。主旋律を何度離して追いかけるか、上下逆さまに反転して追いかけるか、主旋律を複数にするか、…など種々のバリエーションが可能です。バッハは「フーガの技法」にその様々な技法をまとめています。

わかりやすい例として、バッハの「小フーガト短調 (BMW578)」を挙げます。最初のテーマが他の声部で調性を変えながら追っかけられていくのを意識してお聴きください。


  • カノン…主旋律に対して、同じ旋律を後から追いかける「輪唱」という歌い方がありますが、これの器楽版が最も単純なカノンです(「パッヘルベルのカノン」が有名)。旋律と音程を変えて追いかけたり、旋律の動きを上下逆さまにして追いかける「反行カノン」、旋律の後ろから演奏して追いかける「逆行カノン」などの種類があります。

例として「パッヘルベルのカノン」を挙げます。一番低音の楽器が同じ動きを繰り返す上に、上の三声部が同じ旋律を2小節遅れで追いかける形になっています。


和声音楽が主となった古典派以降も、多くの作曲家が対位法の技をふるうのに、「フーガ」もしくはそれのコンパクト版である「フゲッタ」を作曲しました。曲の一部として「フガート」として使われることもあります。
 例えばベートーヴェンの交響曲の中では、第1番第2楽章の第1テーマ、第2番第4楽章の経過主題、第3番「英雄」第2楽章の後半部と第4楽章、第5番「運命」第3楽章の中間部、第7番第2楽章、第9番「合唱」第2楽章、を挙げることができます。

ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」 第2楽章の冒頭をお聴きください。短い序奏の後で、飛び跳ねるようなテーマがフーガ的に展開されていきます。

最後は変奏曲形式です。

音符変奏曲形式音符

同じ主題が、少しずつ変化を受けながら繰り返されるものです。主題は作曲家自作の場合もあれば、他の作曲家の曲や民謡などを用いる場合もあります。

  • 変奏曲…主題 - 第1変奏 - 第2変奏 - 第3変奏 - ・・・ - 終結部(コーダ)

主題自体はあまり変わらずに、違う楽器が装飾する場合もありますが、中には主題も大きく変化して、なかなか元の旋律がわかりにくくなってしまうこともあります。

「パッサカリア」や「シャコンヌ」のように名前のついた変奏曲もあり、一番低い声部(バス)の楽器が執拗に同じ旋律を繰り返し、それよりも高い声部の楽器が様々なフレーズを演奏します。主にバロック時代に用いられました。

第2楽章に使われることが多い形式ですが、独立曲としても使われることがあり、ベートーヴェンやブラームスが最も得意としていました。

例としてベートーヴェンの「創作主題による32の変奏曲 」を挙げます。最初のテーマから始まり、32通りものバラエティ豊かな変奏をお楽しみください。
 譜面上の「VAR.●」の●の部分が変奏の番号になっています。


← 左の各メニューから見たい項目をクリックして下さい。