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音符 4. 楽器編成について 音符

ここでは、楽器編成について説明します。オーケストラといえば、前項で説明した楽器がほとんど参加するということでいいわけですが、室内楽のように編成が小さくなってくると、どの楽器とどの楽器を使っているのか、わかりにくくなってきます。

もちろん、どのような楽器の組合せにするのかは作曲家の自由裁量になるわけですが、ある程度伝統的に決まっている楽器編成というものがあり、基本的にはそれが踏襲されています。

さて、古典派以降の音楽では基本的には「メロディー」と「伴奏」という役割が必要ですが、伴奏においては音を重ねることによって生じる和声(ハーモニー)が大事になります。基本は3つの音があればいいわけですが、音の動きが単調にならないように4つ以上の音が重なるためには、単音楽器であれば4つ以上が必要になります。しかも音域が重ならないように、高音・中音・低音楽器をちりばめて。

そのような制限から、基本的な楽器編成は自ずから決まっていったと思われますが、ピアノの発明によって1つの楽器で充実した和声を強弱含めて鳴らすことが出来るようになり、編成の自由度が一気に拡がりました。ピアノの登場は、音楽界を根底から変える大革命だったのです。

それでは最小の編成から始めましょう。まずは独奏曲です。

音符独奏音符

 

単音楽器の例は面白みがないので殆ど無く、鍵盤楽器や重音が出来る弦楽器に限られます。

  • ピアノ…元々独奏に適しているので特記はされません。4楽章構成のものは「ピアノ・ソナタ」などの呼び方をします。
  • バイオリン…「独奏バイオリンのための●●」、「無伴奏バイオリン●●」といったような曲名になります。バッハやバイオリンの名手のパガニーニなどの曲が有名です。他の弦楽器についてはチェロ独奏曲が目立つ程度です。

例として、バッハ作曲の無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番 から第1曲アルマンドを挙げておきます。楽器一本で、この豊かな表現。


それでは次は2つの楽器の編成、二重奏です。

音符二重奏(デュオ)音符

和声が鳴らせる楽器を1つと、任意の楽器の組合せですが、一般的には前者はピアノが用いられます。

  • ピアノとバイオリン…「バイオリン二重奏曲」、「バイオリンとピアノのための●●」という呼び方をします。「バイオリン・ソナタ」などの言い方もします。バイオリン以外の他の楽器との組合せも同様です。
  • ピアノとピアノ…「ピアノ二重奏曲」、「2台のピアノのための●●」といったもの。
  • バイオリンとチェロ…重音奏法が出来る弦楽器同士の組合せですが、重音といっても運指上の制限があるためにあまり内容的に充実した曲はありません。

例として、モーツァルト作曲のヴァイオリンソナタ第21番 (K.304)を挙げておきます。ピアノとヴァイオリン。


次は三重奏です。

音符三重奏(トリオ)音符

ピアノと他の楽器2つ、あるいは重音奏法が出来る弦楽器3つという組合せになります。

  • ピアノ三重奏…ピアノ、バイオリン、チェロの編成が一般的。ハイドンやベートーヴェンが多くの曲を残しています。
  • 弦楽三重奏…バイオリン、ビオラ、チェロの編成。ただやはり響きが充実しないために曲は少なめです。

例として、ベートーヴェン作曲のピアノ三重奏曲第7番「大公」 から第1楽章を挙げておきます。ピアノとヴァオリンとチェロ。


次は四重奏。この辺りから楽器の種類が豊富になります。

音符四重奏(カルテット)音符

いよいよ単音楽器も本格的に参加します。弦楽四重奏という最もメジャーな分野も加わります。

  • 弦楽四重奏…第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロという編成。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンという古典派の巨頭が基本スタイルを確立し、シューベルトに受け継がれ、今なお室内楽の主要な分野になっています。
  • ピアノ四重奏…ピアノ、バイオリン、ビオラ、チェロという編成が基本。ピアノと弦楽器の組合せとしては最も均整のとれた編成とされています。
  • フルート四重奏…フルート、バイオリン、ビオラ、チェロという編成。他の管楽器を用いる場合も同様です。

例として、ハイドン作曲の弦楽四重奏曲第67番「ひばり」 から第1楽章を挙げておきます。通常編成。


次は五重奏です。

音符五重奏(クインテット)音符

   

ここからは同じような音域の楽器が加わるために重厚な響きになってきます。

  • 弦楽五重奏…弦楽四重奏にビオラを加える場合とチェロを加える場合があります。作曲者によって編成が固定される傾向にあり、前者が殆どで、後者にボッケリーニやシューベルトがいます。稀にコントラバスを加えます。
  • ピアノ五重奏…弦楽四重奏にピアノを加えるのが一般的です。シューベルトには、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成の曲があります。
  • 木管五重奏…フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの編成。近代曲に良く用いられます。
  • クラリネット五重奏…第1バイオリン、第2バイオリン、クラリネット、ヴィオラ、チェロの編成。クラリネットだけ特別扱いしているようですが、モーツァルトとブラームスが名曲を残したことで重要な編成になっています。
  • 金管五重奏…第1トランペット、第2トランペット、ホルン、トロンボーン、テューバの編成。これも近代曲に用いられます。

例として、シューベルト作曲のピアノ五重奏曲「ます」 から第4楽章を挙げておきます。ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロおよびコントラバスという珍しい編成。


六重奏以上については、そろそろ楽器の特定が難しくなるので有名どころの紹介だけにします。

音符六重奏(セクステット)以上音符

 

音の重なりは十分なので、楽器の組合せはさらに自由になります。

  • 弦楽六重奏…バイオリン2、ビオラ2、チェロ2の編成。ブラームスに名曲があります。ドボルザーク、チャイコフスキーも曲を残しています。
  • ピアノ六重奏…バイオリン2、ビオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ。あるいはバイオリン、ビオラ2、チェロ、コントラバス、ピアノ。またあるいはフルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット、ピアノ等の組合せがあります。
  • 弦楽八重奏…弦楽四重奏の編成を2つずつにしたもの。メンデルスゾーンに名曲があります。

例として、ブラームス作曲の弦楽六重奏曲第1番 から第2楽章を挙げておきます。通常編成。


さて、数えるのはここまでにしましょう。オーケストラにいく前に、弦楽合奏についてふれておきます。

音符弦楽合奏音符

弦楽器がそれぞれ複数使われて豪華な響きが味わえます。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、チャイコフスキーやドボルザークの弦楽セレナードなどがこの編成です。

  • 弦楽合奏…第1バイオリン6、第2バイオリン5、ビオラ4、チェロ4、コントラバス2、計21人が平均的。曲や演奏会場などにより、16人から60人位までの幅があります。

例として、チャイコフスキー作曲の弦楽セレナーデ から第1楽章を挙げておきます。


最後は交響曲や管弦楽曲の編成であるオーケストラです。歴史的に少しずつ編成が大きくなりました。

音符オーケストラ(管弦楽)音符

楽器編成

管楽器合奏、弦楽器合奏に加えて打楽器が加わり迫力あるバラエティに富んだ音響を味わえる究極の楽器編成です。楽器数は青天井。別に録音された効果音が使われることもあります。

  • 〜古典派前期(ハイドンやモーツァルトの前期まで)…弦楽合奏のみでも立派なオーケストラでした。さらに管楽器がオーボエとホルンを1本ずつ、あるいは2本ずつ加わります。フルートやクラリネットは楽器自体が未成熟なためにオプション参加のような感じ。打楽器はティンパニが稀に入る程度。
  • 古典派後期〜ロマン派前期(ハイドンやモーツァルトの後期以降、ベートーヴェンやシューベルト前期まで)…弦楽合奏に、管楽器の主なもの(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット)が2本ずつ加わります(二管編成といいます)。ティンパニは常連になりますが、トランペットと連動することが多いです。
  • ロマン派後期〜(シューベルト後期以降、ベルリオーズ、ブラームス、ブルックナー、マーラーなど)…弦楽合奏に、管楽器が三管編成以上に拡大してトロンボーン、テューバ等も加わります。ティンパニは複数が普通になり大太鼓やシンバル等も参加します。声楽も入ってきて、ここまで来るともう”何でもアリ”です。

例として、ベルリオーズ作曲の幻想交響曲 から第2楽章を挙げておきます。ハープ複数台とは豪勢。


ここまで編成が大きくなると、楽器をつかいこなすにも技巧が必要になります。この技術は管弦楽法(オーケストレーション)と呼ばれ、大家としてはベルリオーズ、リムスキー=コルサコフ、リヒャルト・シュトラウス、ラヴェルなどが有名で、彼らの管弦楽曲は管弦楽法の模範とされています。彼らの曲では、オーケストラが1つの生きもののように感じられるほどです。

最後に、巨大化したオーケストラの一つの極致を示す曲のご紹介を。

マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」 。ここで紹介した殆どの楽器を含むオーケストラと独唱・児童合唱・混声合唱を併せて、千人ほどの演奏者が必要だとされる曲です(どうやら興行主の誇張表現だったようですが)。ただ、そのために演奏機会が少ない曲です。何事もホドホドということなのでしょう。

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