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音符 D. CDの選び方 音符

このページでは、クラシック音楽で聴く曲が決まっている場合のCDの選び方について、初心者あるいはクラシック音楽にほぼ慣れてきた方を対象にアドバイスさせていただきます。
 ここでは交響曲を中心としたオーケストラ曲を対象にします。
(※ 聴く曲がまだ決まっていない場合のおすすめCDを知りたい方は、おすすめクラシック へどうぞ。)

早速の例ですが、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」をAmazonサイトでちょっと探してみても下の3種のCDがすぐ見つかります。
(左からカルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル、カラヤン指揮ベルリン・フィル、バーンスタイン指揮ウィーン・フィルによる演奏)


   

ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」のAmazon検索結果

さて、そもそも選ぶためには全部のCDを聴いてみなければ本当はわからないのですが現実味がありません。レンタルする方法もありますが、全種のCDが揃っている保証もありません。

そういう中でどうやってCDを選んだらいいのか?

実はクラシックを聞くのにも「土地勘」というものがありある程度聴き込むとわかってくるものですが、ここではハズレの可能性をできるだけ小さくするために選び方を説明していきます。


以下の項目に分けて順次述べていきます。(直接以下のリンクからジャンプも可能)


音符演奏の違いが出てくる理由音符

そもそもの疑問として、「同じ楽譜で演奏するのに、なぜ演奏の違いが出てしまうのか?」というのがあるのではないでしょうか。

確かに、演奏楽器、拍子や調性については、かなり楽譜でかっちり指定されます。ただし、それぞれの楽器の数(たとえば第1ヴァイオリンは何名にするか)、テンポ、強弱、アーティキュレーション(音の表現方法)については相当の任意性があるのです。

例示すれば、速度指定がアレグロ(Allegro)でも、ただ「快速に」という指定だけなので、実際のテンポはその曲ごとに異なります。そして強弱記号のフォルテ(f)やピアノ(p)にしても、どのくらいの強さであるかは決まっていないのです。速度はベートーヴェン以降、メトロノーム記号(「♪=80」などと表記される)で厳密に指定されることもありますが、絶対的に縛られることはなく演奏時のテンポが決められます。
 協奏曲における独奏者の技巧の見せ場であるカデンツァなどは、楽譜には記載されず個々の演奏者のアドリブに委ねます。
 音の高さについても、全楽器のピッチを合わせる調律では、大体440Hzのイ音(ラ)で合わせるですが、古楽器を使う場合は気持ち低くすることもあります。
 そういう各条件に加えて、各指揮者や楽団の風土、演奏家の個性、演奏場所の音響や録音技術なども併せ考えれば、むしろ同じ演奏であることはまずあり得ないことです。

だからこそ、CDを選ぶのに頭を悩ますことにもなるのです(それもいつしか”楽しみ”になっていくのですが)。


音符作曲家とその時代の特徴を知る音符

作曲家をその音楽史上の位置づけで考えると演奏形態や規模の姿が見えてきます。ここでは古典派以降は交響曲に関係する作曲家に絞っています。

  • バロック時代(17世紀初頭〜18世紀中期)。古楽からクラシック音楽への転換期。
     主な作曲家は、ヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデルなど。
     教会や一部の貴族範囲での、音量は小さくごくごく狭い空間での音楽。少人数の弦楽合奏にチェンバロ(通奏低音)、小規模の管楽器が加わる程度の小さな編成が一般的。
宮廷でのフルートコンサート
  • 古典派(18世紀中期〜19世紀初頭)。いわゆる”交響曲”の確立期。
     主な作曲家は、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ウェーバーなど。
     宮廷での王族や貴族のサロンやセレモニーにおけるちょっと広い室内での演奏。中規模の弦楽合奏に加えて、1管から2管編成の管楽器とティンパニ。クラリネットやピアノが使用されるようになる。ベートーヴェンは声楽を第9番でとり入れた。
  • ロマン派(19世紀初頭〜19世紀後期)。交響曲の量的質的な発展期。
     主な作曲家は、シューベルト、ベルリオーズ、シューマン、ブラームス、メンデルスゾーン、ドヴォルザークなど。
     今のコンサートとほぼ同じ形態で、市民も含んだ聴衆に向けたコンサート用のステージでの演奏。弦楽合奏は今とほぼ同じ規模となり管楽器は2管編成またはそれ以上で、トロンボーンやハープが加わったり打楽器でもシンバルやトライアングルが入ることもある。音楽で情緒を表現することも試みられ標題を自ら付ける場合も多くなる。
  • 近代(19世紀後期〜20世紀中期)。交響曲の成熟期。
     主な作曲家は、サン=サーンス、チャイコフスキー、ボロディン、ブルックナー、マーラーなど。
     さらに楽器編成は大規模になり、音楽も複雑になり演奏時間も1時間またはそれを超えるものが普通になってくる。この辺から聴く側を選ぶようなマニアックさも出てくる。ついにマーラーは合唱隊も含めて交響曲第8番「千人の交響曲」まで巨大化させてしまい、量的には行くところまで行ってしまう。
  • 現代(20世紀中期〜)。交響曲が多様化する転換期。
     主な作曲家は、プロコフィエフ、リヒャルト・シュトラウス、ショスタコーヴィチ、シベリウス、オネゲル、メシアンなど。
     楽器編成は電子楽器や自然音なども導入したりするが、これまでの伝統的な編成に縛られなくなり、和声やリズムが複雑化してくる。第一次世界大戦や第二次世界大戦を始めとする社会の激変に伴って、愛国的意味あるいは平和を希求する意味をもつ音楽が増えてくる。逆にシンプル化して音色やリズムの繊細な変化を楽しむような方向性も出てくる。

作曲家も社会から隔絶されているわけではありません。音楽史は西洋史上も重要な位置にあり、それを知ることでクラシック音楽のとらえ方が変わってきて、CDの選択の楽しさもさらに増すこと請け合いです。

   

音符指揮者の特徴を知る音符

各指揮者にはそれぞれ特徴があります。主要な指揮者について以下に紹介します。

  • カラヤン(ヘルベルト・フォン・カラヤン)は、「帝王」と呼ばれたくらいにカリスマ性のある指揮者であり、そのために演奏も盤石で多岐の分野に渡っており、まず大概平均以上のパフォーマンスです。ただ、たまに「よきにはからえ」式のおまかせの演奏があって、オケのアンサンブルが少し乱れている時もあります。
  • バーンスタイン(レナード・バーンスタイン)は、自身も作曲家であり、作曲家の意図をも汲み取ったような情熱的な演奏をします。振りが大きく、最盛期には指揮台から勢い余って落ちてしまったという伝説もあります。小澤征爾は彼とカラヤンの弟子であり両者の特徴を併せ持っているようです。
  • カルロス・クライバー(下画像)は、お父さん(エーリヒ・クライバー)も著名な指揮者で、いわゆる二代目のイケメン指揮者です。彼の指揮は音楽の流れを最大限重視するもので、音楽的に必要であれば普通では考えられないような速いテンポで演奏することもあり、そのスピード感も魅力的です。録音数は比較的少なくオペラにも名演を残しました。サイト管理人が一番お気に入りの指揮者です。
カルロス・クライバー
  • ベーム(カール・ベーム)は、カラヤンとは対照的な朴訥としたオジサンで、実直で誠実な音楽をつくり上げます。そのためにずいぶん楽団員に怖がられていたらしく、頑固親父的なところもあったようです。演奏にはブレのない安定感があり、テンポは遅めをとることが多いようです。
  • デュトワ(シャルル・デュトワ)は、スイスのローザンヌ出身で見た目もイケており、洒落たカラフルな色彩を感じられる演奏をします。特にモントリオール交響楽団との組合せは素晴らしいもので、フランス音楽やロシア音楽に名演があります。
  • セル(ジョージ・セル)は、精密機械のようなかっちりしたアンサンブルをつくるので、明確な音のイメージを形作ります。その分楽団員には厳しかったそうですが、奏でられる演奏の完成度は見事なものがあります。

その他にもクーベリックマゼール、アバドショルティアーノンクールバレンボイムなどはバランスがとれて一定水準は超えていると思います。あとはそれぞれの個性に対する聴き手の好みに依ることになります。


音符オーケストラの特徴を知る音符

各オーケストラには特徴や得意分野というものがあります。主要なオケ(オーケストラの略)について以下に紹介します。

また一般的に、作曲者の出身国のオーケストラは、曲の雰囲気に合った演奏になることが多いです。期待されるし、気合も入るからでしょう。


音符定評ある指揮者とオケの組合せを知る音符

指揮者とオーケストラの相性が非常にマッチしていて演奏のレベルが高いと定評のある組合せの中で、一部有名なものとその特徴を活かせる分野を以下に紹介します。
 (初出のものだけリンクを貼っておきます)

  • カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー
    →ほぼクラシック作曲家全般に平均的だが、ドイツ・オーストリア系の作曲家に相性が良い
  • ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー
    →モーツァルトやシューベルトなどの響きが柔らかい曲に合う
  • セル指揮 クリーヴランド管弦楽団
    →シューマン、メンデルスゾーン、ドヴォルザークなどのロマン派に合う
  • バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
    →ブラームス、マーラー、ショスタコーヴィチなどのロマン派後期から近代・現代の曲に合う
  • デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
    →特にフランスやイタリア、スペイン系の作曲家の音楽に合う
  • ショルティ指揮 シカゴ交響楽団
    →ドヴォルザーク、マーラー、バルトークなどのスケール感のある曲に合う
  • アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
    →フランス、スイス系そしてロシア系の作曲家の曲に合う。
  • ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー
    →チャイコフスキーやショスタコーヴィチなどのロシア(旧ソ連)系の作曲家に合う
  • 小澤征爾指揮 ボストン交響楽団
    →ブラームス、ラヴェル、マーラー、ベルリオーズなどのロマン派から近代に合う
  • 朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
    →ベートーヴェン、ブルックナーなどの重めの曲に合う
  • トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団
    →バロック時代から古典派前期(ハイドン、モーツァルト)までが一番合う
  • トレヴァー・ピノック指揮 イングリッシュ・コンサート
    →同上で、バロック時代から古典派前期までが合う

音符試聴法あれこれ音符

CDを試聴する方法は、リアルなCDショップに行って試聴コーナーで聴くのがすぐ思い浮かびますが、主要なクラシックCDが全種揃っているとは限らないし全部試聴出来るわけでもありませんので、ここではインターネット上での試聴についていくつか紹介します。
 音質はCDにはかないませんが、大いに参考にはなるはずです。

  • AmazonのクラシックストアでCD検索する。
     例えば、このページの最初の方で紹介した、カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル演奏のベートーヴェンの交響曲第5番は、リンク先のこちら で試聴できます。
     スクロールしていくと「試聴用サンプル」という項があるのでそこで「試聴する」というリンクをクリックするとjplayerが開いて30秒間視聴できます。
     さらに、mp3ストアで調べてみることも出来ます。ただCDで売られているもののmp3はまだ登録されていないことが多いです。
  • 楽天ブックスのCDストアでCD検索する。
     例えば、こちらのリンク先で、「商品の詳細説明」という項があるので、視聴ボタンの横の曲名をクリックするとプレーヤーが開いて30秒間ほど試聴できます。
     ただ、試聴できるCDがAmazonほど多くありません。
  • iTunesをインストールしている方は、iTunes Storeで検索する。
     例えば、このリンク先(ベートーヴェン: 交響曲第5番《運命》& 第2番 - オトマール・スウィトナー / ベルリン・シュターツカペレ)【クリックするとiTunesが起動してiTune Store画面になります】では、曲のタイトルの番号をクリックすると1分30秒試聴できます。
     iTunes Storeの良いところは、全てのアルバム、曲が試聴できることです。
  • YouTubeで音源を検索する。
     例えば、「calros kleiber beethoven 5」というキーワードで検索した結果(こちら)の中から、カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル演奏によるベートーヴェンの交響曲第5番をいくつか試聴できるでしょう。
     YouTubeにアップロードされている音源は音質などのバラツキがありますが、この膨大なデータベースの利用価値は大きいと言わざるを得ません。

日本語で検索するよりも原語の外国語で検索した方が見つかる場合もあります。その時はこれまでの指揮者名やオーケストラ名のリンク先でつづりを確認してから検索してみて下さい。

ただどうしても、探しているCDの試聴が出来ない場合も結構あると思います。その時は同じ作曲家、同じ指揮者、同じオーケストラの音源を探して比べてみて推測する方法をとって少しでも確度を上げましょう。
 聴き比べについては次の項目で具体的に説明します。


音符聴き比べの実例音符

冒頭に挙げた、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」について、YouTubeの音源で聴き比べを実際にやってみましょう。

一番わかり易いところで比べるのがベストなので、印象的な第1楽章冒頭を取り上げます。


運命のテーマ1
【譜例1】第1楽章冒頭のテーマ提示

運命のテーマ2
【譜例2】第1楽章テーマ提示後の経過部

比較的わかりやすい楽譜なので掲げました。
 譜例1は、有名な「ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン」の部分で、音の高さを変えて2回テーマを提示します。最初に8分休符があることと、音を長く伸ばすフェルマータ記号があることに注意します。
 譜例2は、テーマを圧縮して畳み掛ける部分で「ジャ・ジャ・ジャ・ジャン」というパターンが一小節ずつ遅れてかぶさってきます。この切迫感にも注目しましょう。
 以下の演奏について、最初の1分間くらいまで聴いてみてください。

  • 演奏例1(クライバー)
     カルロス・クライバー指揮のウィーン・フィルによる演奏です。

  • 演奏例2(カラヤン)
     カラヤン指揮のベルリン・フィルによる演奏です。

  • 演奏例3(バーンスタイン)
     バーンスタイン指揮のウィーン・フィルによる演奏です。(15秒くらいから)

いかがでしょうか? さっそく相違点を検討してみましょう。

まず譜例1の部分。バーンスタインはちょっと他の2人よりもゆっくりめなテンポで、このテーマが大事なんだ、ということを噛みしめるように表現しています。最初に8分休符があることも映像のせいもありますが明確です。それに比べてクライバーとカラヤンはテンポが速いです。クライバーは最初のフェルマータと2回めのフェルマータも十分伸ばして印象付けてその後の期待感を高めており、カラヤンは最初のフェルマータが他の2人よりも短くて次のジャジャジャジャーンとセットにしていて、ちょっと淡白な感じです。

次に譜例2の部分。バーンスタインは丁寧に音の粒をハッキリさせていて作曲者の意図を汲み取っているように音楽を組み上げている感じです。クライバーは、音楽の流れを大事にして多少テンポも揺らしながら盛り上がってゆきます。カラヤンはテンポは一定ですが途中でアンサンブルがちょっと乱れて音の入りが前のめりになっていることに気づきましたでしょうか。そしてこの後にもう一度くるフェルマータで伸ばす音をだんだん大きくクレッシェンドする演出を入れています。

ここで忌憚なく言わせていただくと3つの演奏の特徴は以下のようになります。

  • 演奏例1(クライバー)
     スピード感があり、メリハリを効かせて音楽の全体の流れの中でそれぞれのフレーズを活かしていく。「"全体"のための"部分"」という考え方。
  • 演奏例2(カラヤン)
     テンポは安定して安心感があるが、淡白な部分と演出的な部分が入り混じっており、そのために時々アンサンブルが犠牲にされることもある。
  • 演奏例3(バーンスタイン)
     作曲家の意図を大切にし、楽曲のテーマや形式の意味を解釈してそれを出来るだけわかりやすく表現しようとしている。

言うまでもないことですが、どれも一定水準を超えた高レベルな演奏なのは間違いありません。ですから、どれが一番優れている演奏かということではなく、自分のイメージする音楽と合う演奏をしている組合せを選ぶことが大事です。
 ちなみにサイト管理人は、クライバーの颯爽とした演奏が一番好きです。


音符その他のチェック事項音符

  • もし入手可能であればデジタル録音のCDにしましょう。
    「Digital Recording」や「Digital Mastering」と表示されてます。また「DDD」や「ADD」といった3文字の表示がされることもあります。Dはデジタル、Aはアナログで、1番目が録音時、2番めが編集時、3番めがマスタリング時を表します。「DDD」はフルデジタル録音の意味です。
  • ライブ盤は最初は避けましょう。
    会場のざわざわとした感じや咳とかがどうしても気になりますし、録音の質もバラツキがあって音楽に集中できなくなってしまうことが多いです。好きな指揮者や演奏者であった場合の1つのお楽しみとして購入する方がいいです。
  • モノラル録音でないかどうかを確認しましょう。
    1950年代以前の録音だとモノラル録音であることがあります。ステレオ録音と違って、音の広がりがなくクスミがあるのはどうしても否めないので、ある程度マニアになってから音響上のデメリットも承知のうえで手を出した方が無難です。指揮者がフルトヴェングラートスカニーニブルーノ・ワルターでの演奏などでは要注意。

以上、CDを選ぶ際に参考にしていただければと思います。
 最後にもう一点だけ付け加えるとすれば、同じアルバムならば国内盤よりも輸入盤の方がお得に入手できますので、検討時には輸入盤も調べてみることをオススメします。