トップページ おすすめクラシック ちょっと楽しくクラシック モーツァルトを聴く シューマン交響曲 組曲 管理人紹介

ハイドンの交響曲を聴こう

「交響曲の父」と呼ばれるハイドン.
ニックネームの多いハイドンの交響曲の足跡をたどります.
交響曲の簡単な解説と共におすすめCDをご紹介.

管理人endoyのプロフィール紹介はこちらです.>>

おすすめクラシックモーツァルトを聴くシューマンの交響曲を聴くおすすめのクラシック組曲楽しくクラシック


交響曲第46番 ロ長調

ロ長調

今回は、疾風怒濤期から第46番ロ長調の紹介です。ニックネームはありません。しかし、この”ロ長調”という調は、交響曲の調性としては甚だ異常であり、かつ曲はなかなかの出来なのでご紹介することにしました。

ハイドンが40歳の年の作品。第45番「告別」のすぐ後に作曲したと思われます。ただ問題はこの調性です。
 最初になぜこの調が異常なのか? 左図に調号を示しましたが、なんとシャープ(#)が5つ付きます。それだけでも全楽器、特に管楽器の演奏難度は上がりますが、最も厄介なのは移調楽器(記譜上の音と実際奏される音が違う楽器です。例えば”A管”はハ長調で演奏すると実際はイ長調になります.)
 この交響曲ではホルンが使われますが、ただでさえ半音を上げたり下げたりするのが不得手な楽器なのでそのままC管でロ長調で演奏するのはほとんど不可能。もし現在主に利用されるF管であればさらにシャープを1つ追加した嬰ヘ長調の譜面で演奏しなければなりません。
 そこでこの曲ではホルンは珍しいH管が使用されています。これならハ長調で演奏してロ長調になる楽器なのでこれしか選びようがなかったのでしょう。

では、なぜこんな面倒な調を選んだのか。ここからはサイト管理人の想像です。3つほど考えました。
 (1)第45番「告別」によって帰省した楽員たちの時間稼ぎのため。難しい調性なら練習に時間がかかるのでその分次の演奏会まで家族でゆっくり休んで欲しいというハイドンの配慮ではないか。
 (2)第45番でのメヌエットの嬰ヘ長調(#が6つ)の響きが気に入った。弦楽器は#が増えるほど典雅な響きになるのですが、第45番で実際に曲を書き演奏することによってそれが確認出来たので、#の多い調を主調とした曲を書きたくなったのではないか。
 (3)楽団員の実力試験に使うため。こういう侯爵のお抱え楽団というのは音楽家としては当時では安定した職業だったので、下手くそでも辞めさせづらい。そこで難度の高い曲を演奏させることによって実力を測るために作曲したのではないか。

真相はハイドンのみぞ知る。しかしこれ以降ハイドン以外でもこの調を交響曲で主調として選ばれることはありませんでした。

第1楽章は序奏はなく急速なヴィヴァーチェで始まります。音形は逆ですが第44番「悲しみ」の第1楽章第1テーマと酷似しています。付点リズムで伸び上がるような経過句を経て現れる第2主題は属調の嬰ヘ長調ですが、すぐに嬰ヘ短調になって暗めな感じになります。展開部は第1テーマの展開が中心になります。
 第2楽章はポコ・アダージョの緩徐楽章。同名短調のロ短調でシチリアーナ風の楽章。この舞曲に特有なゆらゆらと揺れるような流れが全体を支配します。
 第3楽章はメヌエット。8分音符を主とした流れるようなフレーズが中心です。中間部はロ短調で付点2分音符での静かなコラール風になります。
 第4楽章はPresto e scherzando(滑稽な感じのプレストで)と指定された、面白い構成をとっているフィナーレ。2分の2拍子のソナタ形式で、追い立てるような第1テーマで始まります。このリズムが第2テーマでも受け継がれ、同じ雰囲気で再現部まで進みますが突然止まったかと思うと、急にメヌエットの後半部分が回帰します。これも一つのいたずらなのか、単調さをなくすための配慮なのか、謎です。最後は第1テーマのモチーフを利用したコーダで終ります。


どんな曲か試聴したい方へ。第46番です。(Youtube)


ジャケットあるいはタイトルをクリックすると、おすすめCD ( Amazonの商品 )の詳細説明の画面が開きます.
1.

Symphonies 24
2.

ハイドン:交響曲第46番&第47番

1.はヘルムート・ミューラー−ブリュール指揮ケルン室内オーケストラによる演奏。第43番「マーキュリー」と第47番とのカップリングは珍しい。

2.はバレンボイム指揮イギリス室内管弦楽団によるしっかりとした演奏。第47番とのカップリング。



AmazonでCDを探すならこちらへ → 交響曲第46番




このサイトに関するお問合せは、メールアドレス endoy@yahoo.co.jp (@は半角で入力してください)へどうぞ.