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ハイドンの交響曲を聴こう

「交響曲の父」と呼ばれるハイドン.
ニックネームの多いハイドンの交響曲の足跡をたどります.
交響曲の簡単な解説と共におすすめCDをご紹介.

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交響曲第64番 イ長調 「時の移ろい」

不安さ

ハイドンの疾風怒濤期の曲から第64番「時の移ろい」です。珍しくハイドンが自分で命名したずいぶんセンチメンタルなニックネームですが、由来は不明のようです。

ただヒントはあります(参考:Wikipedia Symphony No. 64 (Haydn))。ラテン語のことわざに「時はうつろい、そしてそれとともに我々も変化する ( "Tempora mutantur, nos et mutamur in illis." )』というものがあり、この冒頭を使ったようです。これには続きがあって「どのように? 時が過ぎれば、人は悪くなる( "Quomodo? Fit semper tempore peior homo." )」。
 ただこれでもよくわかりませんね…。日本中世の無常観みたいなものでしょうか?

この交響曲は好みが分かれると思います。形式や転調はかなり自由闊達、言い方を変えれば不安定なところがあって、ある意味予定調和的な彼の他の交響曲とは一線を画しています。特に、第2楽章と第4楽章では、旋律の単位である楽節が、4小節や8小節ではなくて3小節や6小節になっていることによって、ある意味予想を裏切る感じなので非常にユニークな印象を受けると思います。
 もしかするとこの辺が「時の移ろい」と呼ばれる理由なのかもしれません。

楽章構成は、通常の4楽章から成っています。
 第1楽章は序奏をもたないソナタ形式。いきなり弱奏のメロディーと強奏の打音で対照される第1テーマで始まります。第2テーマはあまりメロディー的ではないので聴き逃しがちです。下降音階と飛び跳ねるような音形が特徴です。提示部の小結尾部がちょっと長めで、短調に傾いて陰影を与えています。展開部では第1テーマを中心に展開され、ハイドン特有の擬似再現を経て再現部となります。
 第2楽章はラルゴの緩徐楽章。ゆったりとしたテンポですが多少早めのテンポをとられることが多いです。テーマは一つで間に幾つかフレーズを挟む形式です。このテーマがちょっと進むとすぐ休んでしまっておまけにスカッと和音が解決しないところがあるのでモヤモヤします(下譜参照)。ただ和音的な多様性が助けているところがあるでしょうがこのモヤモヤはずっと続きます。最後の部分でいきなり遠い変ホ長調に飛んだりして不安定な和音的な流れの中で曲を閉じます。この辺が「時の移ろい」を表現しているのでしょうか。

時の移ろい第2楽章テーマ

第3楽章はメヌエット。付点リズムとトリルが目立ちますが、基本をしっかり押さえた曲です。
 第4楽章は、高速なプレストのテンポのフィナーレ。テーマが間を挟んで何回も出てくる自由なロンド形式。このテーマが6小節単位なのでちょっともたもたした感じを与えます。ちょっと長い挿入部では上昇する分散和音が続くのですが、ちょっと常套手段で新鮮さに難があるでしょう。最後は一度半終止してから元気に全曲を閉じます。


どんな曲か試聴したい方へ。第64番です。(Youtube)


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1.

Symphonies 22 44 & 64 (Hybr)
2.

Symphonies 64 84 & 90

1.はマルコ・ボーニ指揮コンセルトヘボウ室内管弦楽団の演奏。テンポ感が良い。第22番「哲学者」、第44番「悲しみ」とのカップリング。

2.はベーラ・ドラホシュ指揮エステルハージ・シンフォニアの演奏。ちょっとテンポはゆっくりめですが余裕を感じる懐の深さがあります。



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