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ハイドンの交響曲を聴こう

「交響曲の父」と呼ばれるハイドン.
ニックネームの多いハイドンの交響曲の足跡をたどります.
交響曲の簡単な解説と共におすすめCDをご紹介.

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交響曲第81番 ト長調

雲と太陽

ハイドンの有名なパリ交響曲(パリ・セットとも呼ばれます)の一つ前、イギリス交響曲と分類されている曲の中から第81番です。

ハイドンがエステルハージ家の楽長を務めていた52歳の時の作品。この頃、モーツァルトとの親交が深まった時期であり、各々が刺激されていたはず。どこかでこの曲もモーツァルトの影響を受けているのかもしれません。以下の点もその一つでしょうか。

この曲の冒頭で、ハイドンは珍しいテーマの提示をします。ちょっと詳しく説明します。(下の楽譜ご参照)。
 強いト長調の和音の後で、チェロが主音であるト音(ドレミファ…でいえばソ)を刻みます。その後で第2ヴァイオリンが静かに入ってきますがその音がヘ音(ファ)なのです。ト長調の場合にはヘ音はシャープが付いて半音上がっている(嬰へ音)のですが、敢えて単なるへ音。こういう音程差を短七度といいますが、とても珍しい。さらにその後で第1ヴァイオリンが旋律的に被さってきますが、これがハ音(ド)なのです。「ト・ヘ・ハ」という構成音はいわゆる調和したハーモニーではありません。そこでどれかが動いて調和した和音になりたがります(解決といいます)。そこでハイドンは第1ヴァイオリンがハ音から半音下がってロ音(シ)に動かすのです。これでハ長調の属七和音「ト・ヘ・ロ(実はもう一つの構成音のニ音が抜けています)」に解決するのですが、主調からはまだ離れています。なかなか主調に行かないというじらせる展開で、第5小節の4拍目でやっと下から「ト・ニ・ロ」と重なってト長調主和音になるのです。ここでやっと雲間から太陽が見えてくるように感じませんか?

第81番冒頭

こういう調性的にずいぶん持ってまわったようなテーマ提示は古典派では非常に珍しく、聴く方を「あれあれ?」と思わせるところです。これもハイドンのユーモアなのでしょう。

 第1楽章はヴィヴァーチェ。先に述べたような面白い第1テーマが和声的にフラフラしながらしばらく続きますが、強奏でト長調をしっかり確立するところから経過部に入り属調のニ長調に転調します。ここでは内声が半音階的に動いて緊張感があります。付点音符で飛び跳ねながら雪崩落ちるような楽しいフレーズに導かれて、楚々とした第2テーマが静かに刻まれます。やがてまた付点リズムの楽しい気分になって提示部を締めます。展開部は以上の材料をうまく組合せます。さて、再現部がまたとってもわかりにくく始まり、音があちこち彷徨った後でいつのまにか第1テーマの後半部に繋がり経過部に入るのです。そして第2テーマが再現され、コーダで第1テーマが今度は完全に近い形で現れながら静かに曲を閉じます。
 第2楽章はアンダンテ。8分の6拍子でシチリアーナのリズムをもった変奏曲です。前の楽章とは打って変わったオーソドックスで穏やかな楽章。
 第3楽章はメヌエット。アレグレットというテンポ指定ですが、運動性が高くベートーヴェン的な激しさももっています。中間部は穏やかな民謡風ですが、せっかく主調たるト長調で始まるのに最後はト短調になって寂しく終わるので、少々奇妙な感じを受けます。主部に戻って終わります。
 第4楽章はフィナーレです。しかしテンポ指定はアレグロ・マ・ノン・トロッポ(快速だけどさほどでもなく)という抑えめなもので、2分の2拍子なのですが4分の4拍子的な印象も受けます。低音部の問いかけに高音部が答える会話のような比較的大人しめの第1テーマで始まります。第2テーマは3連符に特徴があるハツラツとした動き。和声の変化に特徴がある展開部を経て、型通りの再現部へ。コーダも特に新たな変化は無く、少しあっけない感じで全曲を終了します。


どんな曲か試聴したい方へ。第81番です。(Youtube)


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1.

ハイドン:交響曲全集(33枚組)/Joseph Haydn: Symphonies 1-104
2.

Haydn, J.: Symphonies Nos.Hob.I:81 & Hob.I:45 "Farewell"

1.はアダム・フィッシャー指揮オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団による交響曲全集。演奏もオーソドックス。この全集自体がお得なのでオススメです。

2.はCD版が少ないのでAmazonのmp3からのご紹介。オルフェウス室内管弦楽団による、フットワークの軽い爽やかな演奏。カップリングは第45番「告別」というのもユニーク。



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