トップページ おすすめクラシック ちょっと楽しくクラシック モーツァルトを聴く シューマン交響曲 組曲 管理人紹介

ハイドンの交響曲を聴こう

「交響曲の父」と呼ばれるハイドン.
ニックネームの多いハイドンの交響曲の足跡をたどります.
交響曲の簡単な解説と共におすすめCDをご紹介.

管理人endoyのプロフィール紹介はこちらです.>>

おすすめクラシックモーツァルトを聴くシューマンの交響曲を聴くおすすめのクラシック組曲楽しくクラシック


交響曲第97番 ハ長調

迷路

第97番です。この曲はあまり演奏機会がありません。馴染みやすいニックネームが無いせいもあるとは思いますが、音楽的に少し理解しにくいところがあるからではないでしょうか。

ハイドンが60歳の時の作品。ハイドンの交響曲の最後を飾る「ロンドン交響曲(ロンドン・セット)」あるいは「ザロモン交響曲(ザロモン・セット)」に含まれているのですが、その中でも今ひとつ目立ちません。

その理由としては、ハイドンらしからぬコーダの余剰的な長さと大仰な調性の逸脱、そして各テーマは魅力的なもののそれを広げていくのが雑な点などが挙げられるのではないでしょうか。他のハイドンの交響曲とのそんな違和感が最後までモヤモヤしてしまうのです。それが「迷い」なのか「悟り」なのかはわかりかねますけれども。

第1楽章は、序奏付きのソナタ形式です。ゆっくりとした序奏に現れるモチーフは主部でも結尾動機として使われます。和声的な緊張は見せながらも同じ雰囲気で続くと、唐突に主音からヴィヴァーチェの主部に突入します。「ド・ソ・ミ・ド」と主和音で降下するという、どストレート第1テーマ(下譜A)、そして型通りの転調を経て、舞曲的な第2テーマが提示されます(下譜B)。展開部では木管楽器を中心とした対位法的な部分が印象的。再現部では冗長なぐらい調的に不安定な経過句が続きます。コーダは再び調整が流動化して遠い変ニ長調まで行った後で次第に主調に戻って、最後は軍楽的に分散和音を中心として曲を閉じます。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
第97番第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章第2テーマ)
第97番第1楽章第2テーマ

第2楽章はアダージョ・ノン・トロッポの変奏曲。緩徐楽章ですがテンポは少し速めに演奏されます。主題提示、3連符による装飾変奏、短調による激情的な変奏、そして16分音符によるちょこまかとした変奏、と続きます。コーダに入って順当に終わりそうになりながら再び調性が揺らいで不安定な気分の終止となります。。
 第3楽章はメヌエット。運動性があってスケルツォ的な性格を持っています。メヌエット楽章にありがちなリピート記号を全て廃しているという特徴があります。中間部はのんびりした素朴なメロディーは楽しげなのですが、正直あまり面白みが無いのが残念。
 第4楽章はプレスト・アッサイの急速なフィナーレ。展開部を欠いた二部ソナタ形式です。飛び回るような魅力的な第1主題で始まります(下譜C)。経過部に入り付点音符が特徴である第2主題となりますが、ザワザワした中での提示なのでわからないうちに通り過ぎそうです(下譜D)。提示部が終わると短い接続部があって再現部へ。そこでは、また調性を動き回る拡大された経過部に圧倒されます。コーダではちょっと一服するようなフェルマータが3回現れて、ちょっとクライマックスへの気を削がれますが、第1主題の後半のモチーフによる華麗な曲調で全曲を閉じます。

楽譜C(第4楽章第1テーマ)
第97番第4楽章第1テーマ

楽譜D(第4楽章第2テーマ)
第97番第4楽章第2テーマ


どんな曲か試聴したい方へ。第97番から第4楽章です。(Youtube)


ジャケットあるいはタイトルをクリックすると、おすすめCD ( Amazonの商品 )の詳細説明の画面が開きます.
1.

ハイドン: 交響曲第94番「驚愕」, 第95番 & 第97番
2.
ハイドン:ロンドン(ザロモン)交響曲集

1.はジェフリー・テイト指揮のイギリス室内管による演奏。第94番「驚愕」と第95番とのカップリングで、明快でオーソドックスな印象。

2.はクイケン指揮のラ・プティット・バンド による演奏。ザロモン・セットが全て聴ける。テンポのハツラツした現代的な心地よさ。



AmazonでCDを探すならこちらへ → 交響曲第99番




このサイトに関するお問合せは、メールアドレス endoy@yahoo.co.jp (@は半角で入力してください)へどうぞ.