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ハイドンの交響曲を聴こう

「交響曲の父」と呼ばれるハイドン.
ニックネームの多いハイドンの交響曲の足跡をたどります.
交響曲の簡単な解説と共におすすめCDをご紹介.

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交響曲第98番 変ロ長調

通奏低音用楽器

第98番です。この曲も他の曲に埋もれてあまり演奏機会がありませんが、ある意味聴き応えのある曲です。

ハイドンが60歳の時の作品。ハイドンの交響曲の最後を飾る「ロンドン交響曲(ロンドン・セット)」あるいは「ザロモン交響曲(ザロモン・セット)」の内の一つで、かっちりとしたメカニカルな印象を与える全体の曲想と、それを締めくくる第4楽章のコーダ部分のエレガントな感じの対比が面白いです。

このコーダでは、速度を落として、当時通奏低音として使われたチェンバロが、軽やかにテーマを装飾するという趣向があります。
 通奏低音とは、もともとバロック音楽で習慣的に用いられた伴奏形態で、低音部の旋律だけが楽譜に書かれ、音符に指定された数字に基づいた和声を、奏者が任意につけるものでした。この通奏低音の奏者がオーケストラを主導することが多く、指揮者の役割をも果たしていたのです。

第1楽章は、2分の2拍子。主調と同名短調である変ロ短調のゆっくりとした序奏から始まります(下譜A)。最初の3音(変ロ・変ニ・へ【B♭・D♭・F】)はこの楽章の軸になるモチーフです。荘厳でさえある序奏が属和音で途切れると、変ロ長調の快速なソナタ形式の主部に入ります。いきなり出る第1テーマは、先の3音を長調にしたものから誘導されるものです(下譜B)。テーマのメカニカルな音型が次第にも盛り上がると、もう一度第1テーマが現れますが、その時は既に属調への転調が完了しています。第2テーマは勢いのある前奏を伴って流麗な和声的な動きになります(下譜C)。再びメカニカルな動きとなって、最後は3連符の喜びの楽句(これはこの提示部でしか出てきません!)となって提示部を閉じます。展開部は第1テーマと第2テーマとの両方を取り上げ、8分音符の奔流を挟みながら、第2テーマのモチーフの流れの内にスッと再現部へ入っていきます。通常の再現部の後で、結尾部では第1テーマが戯けたリズムの上に強奏され、曲を終わります。

楽譜A(第1楽章序奏)
第98番第1楽章序奏

楽譜B(第1楽章第1テーマ)
第98番第1楽章第1テーマ

楽譜C(第1楽章第2テーマ)
第98番第1楽章第2テーマ

第2楽章はアダージョの心落ち着く緩徐楽章。ゆったりと歩を進めながら祈りを捧げるような第1テーマ(下譜D)と、ちょっとしなやかな動きのある第2テーマによる、簡潔なソナタ形式になっています。時折現れる6連符がリズム的な変化をバランスよく与えています。

楽譜D(第2楽章第1テーマ)
第98番第2楽章第1テーマ

第3楽章はメヌエット。律動的でクリアな和声進行のテーマで始まるメヌエット(下譜E)、そしてゆらゆらと水面が揺れるような旋律のトリオから構成されてます。メヌエットの後半でリズム的に3拍子と2拍子が混合したような部分がアクセントになっています。

楽譜E(第3楽章メヌエットテーマ)
第98番第3楽章メヌエットテーマ

第4楽章はプレストのフィナーレ。8分の6拍子で、”狩りの拍子”らしい駆り立てるような特有な雰囲気を持っています。颯爽と飛び回るような第1テーマ(下譜F)と、まるで走句のようで目立たない第2テーマ(下譜G)によるソナタ形式。提示部、リズム的な面が目立つメカニカルな展開部、そして再現部と教科書的に進んでから突如音楽が中断されると、テンポを「ピウ・モデラート」という中庸な速度に落として第1テーマをもとにしたコーダに入ります。この部分はこの項で上述したとおりで、一瞬バロック音楽の時代に迷い込んだような目眩さえ感じさせます。それでも最後は古典派的なまとまり感を持ちながらカッコウの鳴き声のようなモチーフの和音で全曲を締めくくります。

楽譜F(第4楽章第1テーマ)
第98番第4楽章第1テーマ

楽譜G(第4楽章第2テーマ)
第98番第4楽章第2テーマ


どんな曲か試聴したい方へ。第98番から第4楽章です。(Youtube)


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1.

Haydn: Complete Symphonies Vol
2.

Favorite Symphonies Nos 88 92 95 98 100 102 104

1.はトーマス・ファイ指揮ハイデルベルク交響楽団によるハイドン全集からの抜粋。若々しく華やかなハイドンを味わえる。

2.はクレンペラー指揮のニューフィルハーモニア管弦楽団による、安定感の演奏。3枚組で、第88番「V字」、第92番「オックスフォード」、第95番、第100番「軍隊」、第101番「時計」、第102番、第104番「ロンドン」との贅沢なカップリング。



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