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山頭火の俳句

山頭火後ろ姿

酒を愛した放浪の俳人
種田山頭火の俳句をご紹介

生死の中の
雪ふりしきる
生死の中の

雪。 あなたはどんなイメージを持っていますか?
 「天からの贈り物」、「ホワイトクリスマス」、ほんとうにそんなロマンティックなものなのでしょうか? 

この句にはそんな甘美なものとはほど遠い、冷酷で妥協を許さない「雪」があります。

管理人はかつて東北地方に住んでいました。
 決して雪の多いところではありませんでしたが、それでも、雪が降る夜の「死んだような」静けさ、その中で積もった雪の重みで屋根がきしむ音、明け方の寒さでアイスバーンとなった坂道をおそるおそる歩いた恐怖のイメージが印象に強く残っています。

山頭火の旅は、「いつ行き倒れになってもおかしくない」旅でした。まさに雪は山頭火の生死を決す「絶対的な」ものだったのです。それに自分の運命 −(生き死に)− をまかせるしかないのでした。それは修行というよりは、無謀なほとんど自殺に近いような明日をも知れぬ旅でした。

しかし、「どうしようもない自分」を持て余していた山頭火には、そうするしかなかったのです。まさに何かにとりつかれたような旅でした。
 また、音もなく降る雪は、知らず知らずのうちにうつろいゆく「時」のイメージと重なります。 それは着実にしんしんと積もってゆきます。その重みにいつのまにかどうにも身動き出来なくなったことに気づくまで。

そんなことを考えつつ雪に足を取られそうになりながら歩く山頭火は、静寂のうちに閉じこめられてゆくのです。 そこには運命に有無を言えず従わざるをえない、あまりにも弱い一人の人間の姿がみえてくるのではないでしょうか。


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