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その6 孤高たる唯一の短調セレナード(セレナード第12番ハ短調 K.388)

月

ここでご紹介するのは、モーツァルトが遺した唯一の短調のセレナード、第12番ハ短調です。
 楽器の編成は、オーボエ2、クラリネット2、ホルン2、ファゴット2という、8本の管楽器だけなのですが、素晴らしく内容が充実している音楽であります。

作曲された年は、1782年。故郷ザルツブルグの大司教とけんか別れのようにして出てきたウィーンで、父親の猛反対を押し切ってコンスタンツェと結婚した年です。なかなか自分の思い通りにさせてくれない周りへのむしゃくしゃとした感情が、引き締まった緊張感として楽曲に表れているように思います。
 この曲は、「ナハトムジーク」(Nachtmusik)と呼ばれますが、これはドイツ語でセレナードの同義語です。

4つの楽章から成っています。特に第1楽章と第3楽章が素晴らしい。
 第1楽章は、ホルン以外の6本の楽器が重々しいハ短調の主和音をユニゾンで立ち上がる第1テーマで開始されます(下譜A)。休符が比較的多く、ちょっと進んでは立ち止まり、また進んでは立ち止まるような暗い森の中を逡巡しながら彷徨するような楽想が特徴的です(下譜B、C)。第2テーマはのびのびしていますが(下譜D)、コデッタでは複付点音符を使って追いつ追われつの緊張感が戻ってきます(下譜E)。とにかくこれだけの材料を無駄なく用いている佳曲。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
第12番第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章経過モチーフ1)
第12番第1楽章経過モチーフ1

楽譜C(第1楽章経過モチーフ2)
第12番第1楽章経過モチーフ2

楽譜D(第1楽章第2テーマ)
第12番第1楽章第2テーマ

楽譜E(第1楽章コデッタテーマ)
第12番第1楽章コデッタテーマ

第2楽章は、変ホ長調ではありますが、時折陰りを見せるような湖上を静かに舟で渡ってゆくような曲。
 第3楽章は、ハ短調のメヌエット。カノンの技巧が取り入れられています。主部は通常のカノンが中心(下譜F)。オーボエに対してファゴットが追いかけています。中間部はハ長調ですが、音高が鏡に映したような反行カノンとなっており(下譜G)、不思議な雰囲気を醸し出しています。

楽譜F(第3楽章メヌエットテーマ)
第12番第3楽章メヌエットテーマ

楽譜G(第3楽章トリオテーマ)
第12番第3楽章トリオテーマ

第4楽章は、ハ短調の変奏曲。但し、ちょっと癒し系の中間部が入っているというやはり変則的な工夫があります。最後はハ長調となり、比較的賑々しく終止を迎えます。

楽譜H(第4楽章テーマ)
第12番第4楽章テーマ

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

セレナード第12番から第1楽章

3つのCDを紹介します。秋の夜長に月を眺めながら聴くのもおつなものではないでしょうか。

おすすめCDです.ジャケットかタイトルをクリックすると、Amazonの商品詳細説明の画面が開きます.
1.
モーツァルト:グラン・パルティータ
モーツァルト:グラン・パルティータ
2.

モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」
3.
モーツァルト:セレナード第11番&第12番
モーツァルト:セレナード第11番&第12番

 1.はアーノンクール指揮ウィーン・モーツァルト管弦合奏団による演奏。グラン・パルティータとのセットで古楽器での演奏を。

 2.はオルフェウス室内管弦楽団の演奏。打って変わって現代的な軽やかさ。グラン・パルティータとのカップリング。

 3.はウィーン木管八重奏団による演奏。ベートーベンの管楽八重奏も楽しめます。