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モーツァルトを聴く

怒るモーツァルト

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その7 アマチュア向け?とんでもない!(ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K.478)

ピアノ四重奏

モーツァルトの室内楽からピアノ四重奏曲第1番ト短調です。再びモーツァルトの特徴的な調性、ト短調の曲。

作曲された年は1785年で29歳の時。ウィーンで歌劇『フィガロの結婚』を作曲する合間に作られました。出版社側からはアマチュア向けに3曲のピアノ四重奏曲を依頼されていましたが、最初の曲がこの曲であったことで苦情を言われ、モーツァルトはその契約を途中で蹴ってしまいました。それでも第2番は作って他の出版社から出されましたが、第3番はとうとう作られませんでした。
 アマチュア向けとは思えない情熱的で真摯で奥深い内容からして、モーツァルトが依頼に対して何らかの勘違いをしたのかもしれません。もしくは、俺はこういう曲もつくれるんだぜ、というアピールが空回りしたのかも。兎にも角にも彼の音楽への気概が感じられる代表曲です。

3つの楽章から成っています。
 第1楽章は、断定的なユニゾンのモチーフによる第1テーマから始まります(下譜A)。断定的で運命的なイメージ。それを受けて高音から駆け降りるピアノの引きずるような哀しみ。先のモチーフが繰り返され展開する内に次第に各楽器が独立に主張をし始めて変ロ長調に転じると躊躇するような第2テーマ(下譜B)が短く表れて小結尾に入ります。展開部は別の旋律が現れて一頻り展開すると先のモチーフが繰り返さながら再現部に入ります。第2テーマはト短調でさらに悲しげに現れ、最後は第1テーマを中心にした激情的なクライマックスをつくって決然と楽章を閉じます。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
ピアノ四重奏曲第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章第2テーマ)
ピアノ四重奏曲第1楽章第2テーマ

第2楽章は、変ロ長調の小ソナタ形式の緩徐楽章。柔らかで優しい2つのテーマ(下譜C、D)と、それらを繋ぐ流れるようなパッセージが幸福な時間をつくってくれます。

楽譜C(第2楽章第1テーマ)
ピアノ四重奏曲第2楽章第1テーマ

楽譜D(第2楽章第2テーマ)
ピアノ四重奏曲第2楽章第2テーマ

第3楽章は、これまでとは打って変わってト長調での明るいロンドになります。しかしそのメインテーマは下降する和声とそれを追従するようなメロディーで、抑制した喜びという感じです(下譜E)。様々な楽しいメロディーに彩られますが、中間部のホ短調の部分では3連符で暴れまわるピアノと弦楽器とのせめぎ合いが緊張を与えます。終結部で突然変ホ長調にぶっ飛んだ後で、次第に主調のト長調に戻って興奮冷めやらぬという歓喜の中で全曲を終わります。

楽譜E(第3楽章ロンドテーマ)
ピアノ四重奏曲第3楽章ロンドテーマ

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

ピアノ四重奏曲第1番から第1楽章

3つのCDを紹介します。モーツァルトの求めていた精緻で情熱的な音楽を体現した演奏が揃っています。

おすすめCDです.ジャケットかタイトルをクリックすると、Amazonの商品詳細説明の画面が開きます.
1.

モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番&第2番
2.

モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番
3.

モーツァルト : ピアノ四重奏曲第1番&第2番

 1.はイェルク・デムスのピアノでウィーン室内合奏団による演奏。ウィーンの音楽家たちの均整のとれたモーツァルトです。

 2.はフォーレ四重奏団による演奏。懐の深い繊細で包み込むようなモーツァルト。

 3.はアイザック・スターン、ヨーヨー・マらの役者が揃った贅沢な演奏。極め付けを聴きたいのでしたらこれで。