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その10 天上から降りてきた音楽(アヴェ・ヴェルム・コルプス)

合唱隊

「神の子」と言われたモーツァルトの霊感の凄さを感じる合唱曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス ( Ave verum corpus )」のご紹介です。

1791年、彼が35才の時の作品。つまり”死の年”です。妻のコンスタンツェがバーデンで温泉療養をした時にお世話になった合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲されました。この曲をプレゼントされてさぞ感無量だったのではないでしょうか。
 ところで、モーツァルトの奥さんのコンスタンツェ・モーツァルトが悪妻だったという逸話がありますが、モーツァルトの素行を考えるとどっちもどっちだったんじゃないかと思います。浮き沈みの激しい職業作曲家の夫、そして人気者にありがちなスキャンダル、夫の死後の育児と生活の苦労など、コンスタンツェにも同情の余地はずいぶんあると思います。

曲はニ長調で4分の4拍子。テンポはアダージョ。50小節に満たない規模で、アダージョのゆっくりしたテンポですがせいぜい4分ほどのものです。しかし、その半音階を巧みに用いた天上的な響き、短い中での巧みな転調、全体での敬虔で荘厳な雰囲気は一度聴いたら忘れられないものではないでしょうか。

編成は、混声四部合唱と弦楽合奏のみ。弦楽の短い序奏の後で合唱がこの世のものとも思われないメロディで歌い出します(下譜参照)。半音で下がる部分が美しい。一段落すると属調のイ長調に転調します。ここで一旦弦楽だけの部分を挟んで今度は半音階で上がるフレーズによってヘ長調からニ短調への転調を経て主調に戻ってきます。女声部と男声部が対位法で絡みあうところからクライマックスとなり静かに歌い終わり、弦楽があくまでも落ち着いた雰囲気のままでこの素晴らしい曲を締めくくります。

アヴェ・ヴェルム・コルプステーマ

短い曲でもあり、単独でアルバムに収録されることはなく、レクイエムとのカップリングの多いですがこれが絶妙で、どっぷりと悲しみに浸ったレクイエムの後でこの曲の救いが何よりもカタルシスになっています。

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

アヴェ・ヴェルム・コルプス

3つのCDを紹介します。

おすすめCDです.ジャケットかタイトルをクリックすると、Amazonの商品詳細説明の画面が開きます.
1.

「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
2.

モーツァルト:レクイエム、アヴェ・ヴェルム・コルプス
3.

モーツァルト:レクイエム

 1.は、ウィーン国立歌劇場少年少女合唱団による合唱曲の名曲集。他のカップリングは、ヘンデルのハレルヤ・コーラス、ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」など。

 2.は、ウィリアム・クリスティ指揮で彼の設立したオーケストラ及び合唱団であるレザール・フロリサンによる古楽器を用いた演奏。1994年のデジタル録音。

 3.は、ムーティ指揮ベルリン・フィル、そしてストックホルム室内合唱団とスウェーデン放送合唱団による演奏。現代オーケストラによる崇高な奥深い表現の極致。