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その2 K.488イ長調のやすらぎ(ピアノ協奏曲第23番)

ピアノの鍵盤

「よんぱーぱー」と呼ばれて親しまれている名曲があります。それはケッヘル488番。ピアノ協奏曲第23番です。

モーツァルトはイ長調と相性が良かったようです。交響曲でその実力が花開いたのは、奇跡のト短調の25番を除けば第29番イ長調だし、クラリネット協奏曲もイ長調、同じクラリネット五重奏曲もイ長調でした。クラリネットの場合は、A管の移調楽器が特段に柔らかい音調を持っていたことがあると思いますが、ピアノ協奏曲においても見事な名曲を残したのでした。

特に第2楽章の静寂なモノローグは特筆に値しており、ピアノ好きの気持ちを捉えて止みません。

第1楽章は弦楽の流暢な美しい第1テーマで始まります(下譜A)。第2テーマは少しだけ活気はあるけれど気分は似ています(下譜B)。第1テーマが第二提示部でピアノで繰り返されるときの装飾が素晴らしい。提示部を終わるときのホ長調のコデッタテーマの愛しさ(下譜C)。それが展開部の初めで変形されてホ短調で現れるフレーズ(下譜D)の独特の哀しさはモーツァルトの独壇場です。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
第23番第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章第2テーマ)
第23番第1楽章第2テーマ

楽譜C(第1楽章コデッタテーマ)
第23番第1楽章コデッタテーマ

楽譜D(第1楽章展開部フレーズ)
第23番第1楽章第展開部フレーズ

第2楽章については既に触れました。ピアノの独白と中間部の木管とのやり取りが特徴的な秀逸な曲です。下に冒頭のテーマの楽譜を示しました(下譜E)。この旋律の美しく高貴なこと。特に9小節目で主調の嬰ヘ短調から遠いト長調に転調してからさり気なく主調に戻るところなどは見事。

楽譜E(第2楽章テーマ)
第23番第2楽章テーマ

第3楽章はフィナーレ。ピアノで跳躍のあるテーマで始まります(下譜F)。ここでのテンポ設定がこの楽章の全てを制します。各種のエピソードが次々と現れて(下譜G〜J)、最後の最後まで上品な香りを失わない、ソリストの品位が試される絶妙の一編。

楽譜F(第3楽章テーマ)
第23番第3楽章テーマ

楽譜G(第3楽章エピソード1)
第23番第3楽章エピソード1

楽譜H(第3楽章エピソード2)
第23番第3楽章エピソード2

楽譜I(第3楽章エピソード3)
第23番第3楽章エピソード3

楽譜J(第3楽章エピソード4)
第23番第3楽章エピソード4

これこそやすらぎの一時を私たちに与えてくれる奇跡の協奏曲ではないでしょうか。

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

ピアノ協奏曲第23番から第2楽章

今回は3つのCDを紹介します。技巧だけでは味わえない美しい音の一つ一つをどうぞ感じていただけますことを。

おすすめCDです.ジャケットかタイトルをクリックすると、Amazonの商品詳細説明の画面が開きます.
1.
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番&23番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番&23番
2.
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12、21、23番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12、21、23番
3.
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番&27番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番&27番

 1.は内田光子のピアノとジェフェリー・テイトの指揮イギリス室内管が溶け合った一枚。映画のテーマとなった第2楽章を包含する第21番とのカップリングです。

 2.は、21番と、もう一つの美しいイ長調の12番とのカップリング。奇才ファジル・サイの特徴的なピアノとの組み合わせが妙。

 3.は管理人も所有するアシュケナージ演奏の満足の一枚。モーツァルト最後の哀しく美しい第27番とのカップリングで、抑制のあるバランスのとれた演奏。