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その4 トルコ風味のバイオリン協奏曲はいかが(第5番イ長調 K.219)

Cappadocia(カッパドキア)

異国的な雰囲気で楽曲にスパイスを加える遊び心はモーツァルトの音楽にときおりみられる特徴的なもの。ここにご紹介する、バイオリン協奏曲第5番「トルコ風」(K.219)も、それらの楽曲の中の一つです。

「トルコ」といえば、他に「トルコ行進曲付き」のピアノソナタ第11番イ長調(K.331)があります。その第3楽章「トルコ行進曲」は「行進するにはずいぶん早足だな・・・」と思われるテンポでこれまた興味深い曲なのですが、それはまた後の機会にゆずるとして、話をバイオリン協奏曲に戻しましょう。

バイオリンも得意であったモーツァルトにとって、バイオリン協奏曲は自分の思うがままにテクニックを駆使できるし大いに目立てるので、さぞや沢山作曲したのだろうと思いきや・・・5曲しかなかったりします(もちろん習作的なものやモーツァルトの作なのか疑わしいものも他にはありますが)。
 その中で第5番の第3楽章・・・3拍子の優雅な終曲・・・この中間部に2拍子の「トルコ風」な部分が挟まれているのです。なにしろ唐突といえば唐突なので、初演のときには聴衆もあっけにとられたかもしれません。まるで足踏みをするようなたたみかけるリズムが特徴的です。サロン的な全体の雰囲気の中で、ちょっとしたイタズラ心を遊ばせたモーツァルトの茶目っ気が微笑ましいところです。

曲は3つの楽章から成っています。
 第1楽章はオーケストラの上昇する分散和音から始まり(下譜A)、テーマとなるものがなかなか出てきません・・・しかしこれもきっとモーツァルトの思わせぶりなところ。第1テーマはバイオリンの登場時に華やかに演奏されるのです(下譜B)。先の分散和音はその伴奏だったのです。かなり大胆な演出ですね。

楽譜A(第1楽章冒頭)
第5番第1楽章冒頭

楽譜B(第1楽章第1テーマ)
第5番第1楽章第1テーマ

第2楽章は美しいのびやかな曲です。第1テーマからたおやかな癒やしの感触が味わえます(下譜C)。そして独奏ヴァイオリンの伸び上がるような第2テーマ(下譜D)。嬰記号の多いホ長調の特徴となる弦楽器の豊かな響きが味わえます。

楽譜C(第2楽章第1テーマ)
第5番第2楽章第1テーマ

楽譜D(第2楽章第2テーマ)
第5番第2楽章第2テーマ

第3楽章は先に説明したように、トルコ風の部分を中間部に持つ変則的な構成の終楽章です。基本はテンポ・ディ・メヌエットの舞曲風。テーマはまさにそういう風情(下譜E)。中間部は強弱が明確な前半(下譜F)とイケイケドンドンの後半(下譜G)で盛り上げます。この楽章はさりげない終わり方にもモーツァルトの洒落っ気が表れています。油断しているとフッと終わってしまいますので最後までよーくお聴きあれ。

楽譜E(第3楽章テーマ)
第5番第3楽章テーマ

楽譜F(第3楽章中間部前半)
第5番第3楽章中間部前半

楽譜G(第3楽章中間部後半)
第5番第3楽章中間部後半

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

バイオリン協奏曲第5番から第3楽章

今回は3つのCDを紹介します。この曲と同様に終曲に、ちょっと変わった中間部をもつ第3番とのカップリングが多いようです。

おすすめCDです.ジャケットかタイトルをクリックすると、Amazonの商品詳細説明の画面が開きます.
1.

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番&第5番「トルコ風」
2.

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3&5番/協奏交響曲
3.
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番&第4番&第5番
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番&第4番&第5番

 1.は、アンネ・ゾフィー・ムター独奏、カラヤン指揮ベルリンフィルによる管理人もお気に入りの演奏。第3番とカップリング。

 2.は、グリュミオーの独奏、サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン響による優美かつ端正な名演。

 3.は、クレーメルがソロをとり、アーノンクール指揮ウィーンフィルと後期3曲を録ったお得なアルバム。メリハリの利いた演奏がお好きならこちら。