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その8 純な楽しみに包まれた柔らかなシンフォニー(交響曲第33番 K.319)

たんぽぽの綿毛

室内楽的な柔らかな響きが特徴になっている交響曲。

オーケストラの楽器編成は時代とともに大きくなっていきましたが、モーツァルトはその端境期に生きていました。この曲は、モーツァルトの交響曲ではティンパニやトランペットを使わない最後の交響曲です。

彼が23才の時の作品です。マンハイムから故郷のザルツブルクに戻った頃ですが、この頃はモーツァルトのいわゆる”性の目覚め”があった微妙な時期であり、従姉妹と関係をもったり、マンハイムの音楽家の娘と結婚しようとして父レオポルトに猛反対されたりと青春期にはありがちなこともあり、その辺一種の艶かしさも作品に表れるようになってきます。

この曲の特徴として、正確な演奏、優雅な音色、クレシェンド・デクレッシェンドを細かく使った繊細な表現などの特徴を有するマンハイム楽派の影響を受けています。特に緩徐楽章の第2楽章では楽譜に強弱記号が細かく指定されています。なお、溌剌とした第3楽章は、他の楽章を作曲した3年後の演奏会のために追加されたものです。

曲は4つの楽章から成っています。
 第1楽章は、長い主和音を受けて8分音符が追っかけていくような面白い第1テーマで始まります(下譜A)。呼びかけるようなフレーズで受けてから経過部で属調に転調。そして流麗な第2テーマが天上から降りてきます(下譜B)。それに続いてちょっとせかせかとしたコデッタテーマで提示部を終わります(下譜C)。振れ幅は大きくないけれど適度な変化があって楽しい。展開部ではあの「ジュピター動機」が表れてモーツァルトファンを楽しませてくれます(下譜D)。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
第33番第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章第2テーマ)
第33番第1楽章第2テーマ

楽譜C(第1楽章第3テーマ)
第33番第1楽章第3テーマ

楽譜D(第1楽章展開部でのジュピター動機。5小節以降)
第33番第1楽章展開部
 

第2楽章は、アンダンテ・モデラートという珍しい速度指定で歌いすぎて重くならないようにという配慮がみえます。いきなり第1テーマから始まりますがその中での繊細な強弱を聴きとってみてください。経過部の引っ張りながら降りてくるようなフレーズ(展開部でも活躍します)と音階的であまり目立たない第2テーマと相まって甘美な音楽が奏でられていきます。
 第3楽章は、活発なメヌエットと流暢なトリオとの対照がいいメヌエット。特にメヌエットの音高の大きな跳躍はびっくりさせますが、それを破綻させないバランス感覚が見事です。

楽譜E(第3楽章主部テーマ)
第33番第3楽章主部テーマ
 

第4楽章は、3連符と付点音符のリズムがうまく使われた楽しげなダンスのようなフィナーレ。ハキハキとした第1テーマ(下譜F)、伸びやかな第2テーマ(下譜G)、そしてまさにダンス的な第3テーマ(下譜H)。モーツァルトの音楽にどっぷりと浸りきりましょう。

楽譜F(第4楽章第1テーマ)
第33番第4楽章第1テーマ

楽譜G(第4楽章第2テーマ)
第33番第4楽章第2テーマ

楽譜H(第4楽章第3テーマ)
第33番第4楽章第3テーマ

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

交響曲第33番から第1楽章

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1.

モーツァルト:交響曲第28番、第33番
2.

モーツァルト : 交響曲第25番、第29番&第33番
3.

モーツァルト:交響曲第31番「パリ」&第33番&第34番/他

 1.は、スウィトナー指揮でシュターツカペレ・ドレスデン。バランスのとれた小粋な演奏です。

 2.は、トン・コープマン指揮のアムステルダム・バロック管弦楽団による演奏。小編成でオリジナルに近く音が柔らかい。

 3.は、ネヴィル・マリナー指揮でのアカデミー室内管弦楽団の演奏。心持ちテンポを抑えた余裕の風格です。