おかえり.jp トップページ おすすめクラシック ちょっと楽しくクラシック ハイドンの交響曲 シューマンの交響曲 組曲 小品 管理人紹介

モーツァルトを聴く

喜ぶモーツァルト

おすすめクラシック楽しくクラシックハイドンの交響曲シューマンの交響曲おすすめのクラシック組曲おすすめのクラシック小品


その6 パリジャンを酔わせた魅惑のメロディー(交響曲第31番 K.297)

パリの風景

モーツァルトがパリで一花咲かせようと、目一杯のサービス精神を発揮した作品、それが交響曲第31番ニ長調「パリ」です。

その当時のパリの大きな編成のオーケストラでの演奏のために、クラリネットを含む完全な2管編成(=管楽器を全て2本ずつ使う編成で、当時としては贅沢な編成)で書かれました。
 受けを狙おうとしたためでしょうか。移り気なパリジャンに合わせて、楽章はメヌエットを欠いた3楽章。次から次へと美しいメロディーをつなぎ合わせるという趣向で出来ています。
 あまりにも受けが良かったせいか、第2楽章を作り直したりのゴタゴタもあったようです。いずれにしても今のパリにもみられるような機知に富んだ華やかな雰囲気が絶妙です。とはいえ、結局パリでの就職先も見つからなくてモーツァルトにとってはほろ苦い旅ではあったようです・・・

第1楽章は主音である二音を連続で4回強奏した後に音階を駆け上がる華々しいテーマから始まります(下譜A)。それを大またで下降してきた後で、もう一度先ほどのテーマが繰り返されます。経過句がいくつか現れた後(下譜B、C)で転調して、第2テーマがバイオリンに先導されてクラリネットに引き継がれながら登場します(下譜D)。ウィットに富んだバイオリンが長調と短調を言ったり来たりしながら受け取っていきます。その後で第3テーマともいうべき流暢なメロディーが現れます(下譜E)。とにかく次々にメリーゴーラウンドのように様々なメロディが展開部においてさえも続いてゆきます。

楽譜A(第1楽章第1テーマ)
パリ第1楽章第1テーマ

楽譜B(第1楽章経過句1)
パリ第1楽章経過句1

楽譜C(第1楽章経過句2)
パリ第1楽章経過句2

楽譜D(第1楽章第2テーマ)
パリ第1楽章第2テーマ

楽譜E(第1楽章第3テーマ)
パリ第1楽章第3テーマ

第2楽章は息は短いけれども、楽しげな気持ちをリレーしていくようなアンダンテ。第1テーマは礼儀正しい感じですが(下譜F)、第2テーマは突然低音から盛り上がってゆく弦楽に、半音をはさんだはんなりとした旋律が受け継がれてゆきます。先に触れましたように第2版が作曲されましたが、管理人は第1版でも十分楽しめると思います。

楽譜F(第2楽章第1テーマ)
パリ第2楽章第1テーマ

第3楽章は弱奏で始まり、突然の強奏でビックリさせるというトリッキーな第1テーマで始まるフィナーレ(下譜G)。第2テーマはカノンの形態をとっています(下譜H)。この第2テーマは展開部でも大活躍しますが、そのために再現部ではカットされて第1テーマだけで一気にエンディングまで行ってしまいます。パリっ子はそんなに気短だったのでしょうか???

楽譜G(第3楽章第1テーマ)
パリ第3楽章第1テーマ

楽譜H(第3楽章第2テーマ)
パリ第3楽章第2テーマ

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

交響曲第31番から第1楽章

3つのCDを紹介します。モーツァルトの観光旅行に付き合ってみるつもりで是非楽しんでいただきたい。

おすすめCDです.ジャケットかタイトルをクリックすると、Amazonの商品詳細説明の画面が開きます.
1.
モーツァルト:交響曲第31番「パリ」、第35番「ハフナー」、第36番「リンツ」、他
モーツァルト:交響曲第31番「パリ」、第35番「ハフナー」、第36番「リンツ」、他
2.

モーツァルト:交響曲第31、34、35、36、38、41番
3.

モーツァルト:交響曲第31番「パリ」&第33番&第34番/他

 1.はブリュッヘン指揮18世紀オーケストラによる演奏。第35番「ハフナー」、第36番「リンツ」と共にオリジナルに近い雰囲気を味わえます。

 2.はトン・コープマン指揮アムステル・バロック管の演奏。これも古楽による当時の雰囲気を伝える演奏です。交響曲6曲が収録されていてお得感が大きい。

 3.はネヴィル・マリナー指揮のアカデミア室内管弦楽団のオーソドックスな演奏。第33番と第34番他とのカップリング。