おかえり.jp トップページ おすすめクラシック ちょっと楽しくクラシック ハイドンの交響曲 シューマンの交響曲 組曲 小品 管理人紹介

モーツァルトを聴く

喜ぶモーツァルト

おすすめクラシック楽しくクラシックハイドンの交響曲シューマンの交響曲おすすめのクラシック組曲おすすめのクラシック小品


その7 2オクターヴの華麗な跳躍と奇跡の構成美(交響曲第35番「ハフナー」K.385)

ハフナーの冒頭

左の楽譜は、交響曲第35番ニ長調「ハフナー」の第一楽章冒頭の弦楽器のパート譜です。

音の高さこそ異なるものの、全部の弦楽器が同じ音を演奏するという、迫力のある「ユニゾン」ですが、特に第1バイオリンと第2バイオリンをご覧あれ。
 主音のニ音(レ)を強打した後で、2オクターヴもの跳躍をし、また戻ってきて#ハ音(ドの#)で2オクターヴの跳躍。低音で準備してからさらにもう一度イ音(ラ)で2オクターヴ跳躍。
 跳躍を除けば、単純なド・シ・ラ・ソという下降のテーマですが、この上昇志向たるや恐るべし。交響曲界始まって以来の大胆不敵なテーマです。

モーツァルトのこの楽章は、一つのモチーフ(動機ともいいます…音楽を生み出す種のようなものです)を元に一つの楽章を構成するという、歴史上初めての試みでした。時は1782年。ベートーベンはまだ交響曲第1番でさえも作曲していませんが、彼が「運命」で一つのモチーフをとことんまで使い切りながらも飽きさせないという天才的な技術を示したのを、モーツァルトが予言的に見せつけた曲でした。

ハフナーの第2テーマ

第1楽章は先のテーマが全曲を支配します。右の楽譜は第2テーマですが、メロディーというよりはパッセージ的な第2テーマの下で、ヴィオラがオクターヴの跳躍でしっかりと支えているのがわかります。展開部でも執拗に同じモチーフが繰り返されています。音楽好きなら耳を澄まして。

第2楽章はゆっくりとウォーキングしているような曲(第1テーマ 下譜A)。同じ音を繰り返す伴奏にのって木登りでもするような第2主題のメロディーが楽しい(下譜B)。

楽譜A(第2楽章第1テーマ)
ハフナー第2楽章第1テーマ

楽譜B(第2楽章第2テーマ)
ハフナー第2楽章第2テーマ

第3楽章はオーソドックスなメヌエット。妙にこねくり回さないのが逆に新鮮。
 第4楽章は再びバネのように弾性をもつテーマが支配するロンド形式のフィナーレ(下譜C、D)。まるで応援団のように勢いを付ける金管楽器の雄叫びが興奮を誘います。

楽譜C(第4楽章第1テーマ)
ハフナー第4楽章第1テーマ

楽譜D(第4楽章第2テーマ)
ハフナー第4楽章第2テーマ

曲を試聴されたい方は以下でご確認ください.
(推薦CDとは演者が違う場合もありますがご了承下さい)

交響曲第35番から第1楽章

3つのCDを紹介します。モーツァルトの大胆な冒険を愉しむ巨匠たちの歓びの表情が目に浮かぶような名演揃いです。

おすすめCDです.ジャケットかタイトルをクリックすると、Amazonの商品詳細説明の画面が開きます.
1.
モーツァルト:交響曲第25番&第29番&第35番
モーツァルト:交響曲第25番&第29番&第35番
2.
モーツァルト:交響曲第35番&第36番
モーツァルト:交響曲第35番&第36番
3.
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」&第38番「プラハ」
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」&第38番「プラハ」

 1.はバーンスタイン指揮ウィーンフィルの演奏。第25番、第29番共に、音楽の躍動感を失わない熱い雰囲気を味わえます。

 2.はバイエルン放送交響楽団の演奏。NHK交響楽団も指揮したクーベリックの充実した味わいの名演です。

 3.はヨッフム指揮の演奏。ドイツ正統派といわれたヨッフムの真骨頂であるガッチリとした演奏を愉しめます。