2007年を振り返ると、干支は猪年で12年に1度巡ってくる、統一地方選挙と参議院選挙がある年であった。今年の前半は選挙ムード一色で、黒川紀章氏や浅野史郎氏が出馬した東京都知事選が注目された。その後の参議院選挙では自民党が歴史的な大敗に終わった後も、安倍首相は続投する意志を変えなかったが、8月に突然辞意を表明し、福田政権が誕生した。

 経済の方に目を向けると、4月決算期においては、バブル期を超える好決算を発表する企業が相次ぎ、日本経済も明るさが見られたものの、8月以降はアメリカのサブプライムローンに端を発した金融不安が広がると共に、原油高騰を背景とした物価高が徐々に進行している。年の前半は明るかったものの、後半には不透明感が増してきている。

 社会に目を向けると、今年1年を表す漢字が「偽」という文字に象徴されるように、不二家の問題に始まり、白い恋人や赤福や吉兆などの偽装が話題となり、一流ブランドが大きく傷ついた。防衛庁では守屋前事務次官と防衛商社との癒着が問題となっており、社会保険庁の問題も解決の目途さえ立たず、官僚への不信感も高まっている。

 2007年は前半は明るい見通しであったのに、後半はいろいろな問題が噴出し、不透明感がますます強まっている。来るべき2008年はアメリカ大統領選挙の年であり、北京ではオリンピックが開かれる。日本でも、今年起きたいろいろな問題が解決され、より明るい年になって欲しいものである。

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