2007年がスタートした。日本を大きく変えるかもしれない年が明けた。

 2007年問題といえば、日本の人口構成で一番多い「団塊の世代」が60歳になり、大量退職を迎える年である。もう一つの問題として、2007年は大学に入りたいと思う学生と、大学の定員が同じになるといわれている、いわゆる「全入」の年となった。

 バブル期までは、「良い大学」→「良い会社」→「幸せな生活」という高度成長時代からのレールがそのまま活きていた。バブル崩壊後、日本を支えてきた「年功序列」と「終身雇用制」を軸にした会社社会はグローバル化の波のもと、大きな波をかぶり有効な対策を見いだせないまま、「リストラ」という言葉が一人歩きし、その結果若者が夢を見ることが出来ない社会、言い換えると実現出来ない夢ばかりを見せられる社会に成ってしまったのではないだろうか。初めは夢を持って働き初め、実は使い捨てにされている若者がどのくらいいるのだろうか?

 20世紀のlast decade(最後の10年)がlost decade(失われた10年)と言われた。失われた10年を経て、いざなぎ景気を超える景気拡大が続いている。数値上は景気拡大が進んでいるのかもしれないが、働く者にとっては給料が毎年のように下がり、リストラにおびえながら生活しているのが現状ではないだろうか?

 少し明るい兆しも見えてきた。雇用も昨年から明るさを増している。東京ではアルバイトの時給がどんどん上がっている。正社員としての採用も少しずつ増える傾向にある。今の24歳〜35歳くらいの人間は超氷河期と言われた就職戦線でフリータに追い込まれた人間がかなりいる。まじめに働いた者を使い捨てにするのではなく、まじめに働いた者が正当に評価される社会を実現しなければならない。2007年が新しい日本に生まれ変わる転機の年になって欲しいものである。

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