9月16日に高校生の就職試験が解禁された。好調な企業業績を反映し、売り手市場となっている。2007年問題のその年に当たっているのも、売り手市場に拍車をかけている。工場の現場では、技術を継承するために若い技術者が求められている。就職先も一部上場企業をはもちろん、地場の大手企業、中小企業どこも求人を軒並み増やしている。

 以前は良い高校、良い大学に入って受験勉強をかいくぐれば大手企業に就職できるので、豊かな生活の切符を手に入れることが出来た。今は大学を出るだけでは必ずしも良い企業に就職出来るとは限らないし、やりがいを求めれば求めるほど、就職することが難しい状況にもある。

 高卒であっても大企業に就職した者は大卒の収入かそれ以上の収入を得ている。大学を出ても高卒に勝つことが出来ない時代が来ているのである。小学校の頃から塾に通い、私立中学校から私立高校へ進学し、一流と言われる大学へ入学したとしても必ず就職があるわけではない。

 今私の勤務している工業高校では就職希望者は全員就職することが出来る。その大多数が大企業と言われるところに就職している。大学に行くことが本当に幸せであるのだろうか?もし、工業高校の卒業生の生涯賃金と、4年生大学卒業生の生涯賃金の平均を比較するようなデータがあれば、きっと世間がビックリすることになるであろう。

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