バンクーバーオリンピックの開会式の前、グルジアのリュージュの選手が練習中の事故で亡くなった。リュージュの競技は出発地点を変更して、安全面をもう一度点検して実施された。

 女子のスキーのダウンヒルでは、メダル候補の一流選手でさえ転倒した。選手の多くが、ゴールした後に疲れ切って雪の上に倒れるのを見た。おそらく体力が限界に来ていて、転倒することでスピードを殺しているのであろう。

 スポーツの世界では安全面はもっとも大切にされなければならないものである。カーレースでは事故を防ぐために、様々なレギュレーションやルール変更が行われてきた。ルール変更は多分に政治的な部分も含むが、カーレースで死亡事故が昔に比べると少なくなったことは評価に値する。

 カーレースも観客はスピードを楽しみたいと思っている。安全性を強化するために、サーキットでもスピードが出過ぎないようにコースが到るところで変更されている。事故が起こったときの、車本体の安全面やサーキットの施設などにもいろいろな工夫が施されている。

 スキーやリュージュなどの重力を加速度に利用する競技ではもっと安全面を強化すべきではないだろうか?カーレースではゆっくり走ることも可能であるが、スキーやリュージュでは一流の選手でも三流の選手でも同じコースに出れば、同じだけの加速度がかかる。下手な選手でも一流選手並みのスピードが出る可能性があるのである。より安全なコースと競技運営が望まれる。

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