円高が市場最高値目前に迫っている。G7やG20終了後も政府日銀は有効な手を打ち出せないままでいる。日本経済に与える打撃も大きく、不透明感が漂っている。

 海外に目を向けると、対中関係はギクシャクしたまま、中国の反日でもに対して日本政府がいちいちコメントする必要はないかもしれないが、同盟国アメリカとの関係も見えてこないし、中国との関係の落としどころが見えている気配でもない。

 このような内憂外患で、政治的には小沢元党首の問題を抱える民主党は元気がない。仕分けにしても、もはやパフォーマンス的なものでしかなく、国民の注目を集めるには役不足である。補正予算についても、事前に野党と話し合いをしながら進めているにもかかわらず、すんなりと事が運ぶようには見えない。

 今必要なのは強いリーダシップではないだろうか。この難局に、政府の方向性をはっきりさせてくれる政治家や総理大臣を国民は待望しているのではないだろうか?今、20年近くにわたるデフレに苦しんでいる日本。そのデフレから脱却するメッセージや手順を明確に市場や国民に発信していけば、景気も回復し、民主党の支持率も上がってくるに違いない。支持率を気にして、政治にあたるのは本末転倒である。

 現在、国民がもっとも関心があるのは景気問題である。円高不況とデフレにより、安定した雇用が見込めないことこそが、内需を押し下げデフレスパイラルに陥っているのである。国民に希望を与えてくれる、それが政府、日銀の役目ではないだろうか? 

 

 元に戻る