原油をはじめとした、エネルギー価格や食料などがジワジワと値上がりしている。金の価格も上昇している。背景にはアメリカの金融緩和で余ったマネーが、食料やエネルギーの市場にまわっているのが原因とも言われている。

 中国は世界で2番目の経済大国にあった。一方で人民元は、ドルに対して上昇しないように管理されたままである。中国当局が人民元の上昇を抑えようと管理すればするほど、中国にマネーが流入しやすくなる。流入したマネーは不動産や株をはじめ、食料やエネルギーなどあらゆるモノの価格を上げていく。インフレを抑えようと金利を上げれば、ますます元高の圧力となるので、金利も上げにくくなる。金利を上げるタイミングを逃せば、物価の上昇は抑えることができなくなる。

 日本ではプラザ合意の後、円高が進み、資産インフレが進んでいる中で、円高を恐れて金利を引き上げるのが遅れたためにバブルを招いた。バブルの後遺症から未だに抜け出していない。バブルのころ、日本の土地の価格はアメリカ全土の価格の2倍になり、日本GDPがアメリカのGDPを追い越すとも言われていた。

 絶好調の中国経済。その中でジワジワとインフレが進んでいる。20年前の日本のようにバブルが起こり始めているのではないだろうか?

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