電器メーカーのほとんどが赤字決算に陥ってしまった。パナソニックの赤字は単年度としては日立の赤字幅を超え、過去最大の規模になっただけでなく、国内の電器メーカーのほとんどが赤字になっている。

 同時にソニーはストリンガーCEOが責任を取る形で勇退し、新しい社長が誕生した。ストリンガーCEOの7年間の時代はヒット商品がこれとして見あたらず、iPodが出てからというもの、ウォークマンの存在がどんどん薄れていった7年間だったような気がする。

 電器メーカーが苦戦を強いられているのは、まず第一に円高の影響であろう。新しい商品の多くはデジタル家電なので、デジタル製品は部品だけ集めてくれば作られるモノが多いので、新しいモノが出てもすぐに同等のモノが海外で生産されてしまう。もちろん震災の影響やタイの洪水の影響も大きかったことは間違いない。

 深刻なデフレが続き、失われた10年は失われた20年になってしまったようだ。日本のデフレは本当にしかたないものなのであろうか?アメリカのFRB議長はヘリコプターベンと異名を持つデフレファイターだと知られている。円高が続くのも、円の流動性が低いからではないのだろうか?アメリカではついにインフレターゲットの導入に向けて動き出した。

 モノ作り大国の日本が円高とデフレに苦しみ、やむなく海外に進出したり、廃業に追い込まれている。海外に進出した結果、技術流出も相次いでいる。このところずっと増税が議論されているが、増税よりも何よりも先にやるべきはデフレ対策なのではないだろうか?

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