アベノミックスで円安株高となり、企業業績も改善が見える。ヨーロッパはユーロが円に対して弱くなると、日本の競争力が驚異となり、少し神経質になっているようだが、同盟国アメリカは円安政策を批判する声は聞こえてこない。自民党政権の方が、アメリカとのパイプが太いのであろうか?その割には、安倍総理は一番先にアメリカに行きたかったようであるが、未だに訪米は実現していない。

 経済政策は今のところうまくいっているようにも見える。その一方で膨大な補正予算を組み、国債の発行額を増やして、さらに92兆円もの予算を国会に提出する。一方では生活保護費を削減し、高校の無償化も見直し、子供手当にまで手を付けようとしている。一方で高齢者医療の2割負担は先送りするようだ。

 困った問題は、生活保護を受けている人も、子供手当も、高校の無償化も、恩恵にあずかっている人が少ないので、負担を増やしても関係ないと思っている人が多いことである。一方で老人医療の方は、多くの有権者に当てはまるので、手を付けにくいのである。高校の無償化などはたとえ有償にしても、国の負担はほんの少ししか軽くならない。10兆円も補正予算を組むのであれば、同額で数十年にわたり、高校の無償化ができるであろう。

 ここで決して騙されてはいけない。消費税の増税もすぐそこまで迫っている。弱者の負担をどんどん増やして、借金もどんどん増やして、今の経済状況だけを良くしても意味がない。弱者を切り捨てても、税金の負担はほんの少ししか軽くならない。金持ち優遇のような政治で本当に日本全体が幸せになれるのであろうか?

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