日本銀行が10月30日に市場が予想していない、サプライズ緩和を実施した。元々日銀が異次元の緩和を実施しているのの加えて、さらに追加緩和している。市場は敏感に反応し、株式市場は上昇し、円安が進んだ。

 元々、日銀はインフレを恐れて、デフレを20年間にわたり放置してきた。アメリカがQE3と呼ばれる緩和政策を実施したときにも、日本は通貨の流動性を増やすことはなかった。その結果、ドルの流通量と円の流通量に差が出て、円のプレミアムで急速な円高が進んでしまった。この給食な円高に耐えきれず、多くの日本企業は多国籍化し、海外生産に力を入れるようになった。このデフレの時代に円高を放置した責任はとても重い。

 現在、消費税を上げない選択をする事が、一番のリスクである。消費税を先延ばしにしようとする意見も多くあるが、先延ばしにしても景気が良くなるとは限らない。景気が良くならなくても、社会保障費などの税金は必要になる。景気の落ち込みに対しては、景気刺激策を実施しながら消費税を上げればいい。日銀は、政府が消費税を引き上げやすくするための援護射撃を先に打ったとも言える。

 ただ、円安はさらにすすみ115円台に達するようになった。輸出が伸び悩む中、円安が進みすぎるのも原材料費が高騰し、景気の足を引っ張る要因にもなる。日銀は政府から独立した機関であるが、このような大事な時期は、日銀と政府が連携し、景気が先折れしないように、共同して日本の未来を考える非常に大事な時期である。

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