1月はイスラム国に日本人が拉致されて、処刑されるという痛ましい事件が起こった。日本は憲法9条を持ち、平和的な外交を目指し、日本が決して好戦的な国ではないという理解がなされていたと思われていた。イスラム国は一方的に日本を敵対視し、後藤さんは本当は新イスラムの人であるにもかかわらず、日本人だと理由で処刑した。

 今までも日本人が海外で誘拐や強盗にあい、命を落とすような事件はあった。しかし、日本人だからと言う理由で誘拐されたり、拉致されたりしたことは北朝鮮の例を除けばほとんど無かったのではないか?イスラム国に敵対視されている今、中東地域でイスラム国の活動家に、拉致されたり、誘拐される危険性も一気に高まってきた。

 「アラブの春」といわれ、エジプトのムバラク政権が倒れて4年、続いてアフリカではカダフィー大佐が殺害され、一気に民主化が進むかと思われた。カダフィー大佐の傭兵だった人たちが、イスラム国に多く流れているとも聞く。イスラム国の台頭を許したのも、もとはと言えば、アメリカがイラクに侵攻し、十分な民主化を迎えないままイラクを撤退したため、フセイン大統領とバース党の党員などが中心となり、海外の過激派を巻き込んで今のイスラム国がある。

 中東の民主化が進むとどころか、独裁者がいなくなった後混沌とした社会情勢の中でイスラム国が生まれてきたのは間違いない。昔は中東問題はアラブとイスラエルの問題が大きかったが、現在はアラブ同士、イスラム教徒同士の争いの中で不安定かを増している。ますます混迷を深める中東情勢の中で、日本は自国民の安全により神経を払わなければならない時代がしばらく続くであろう。

 

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