アメリカ大統領選挙は、大方の予想を裏切ってトランプ氏の勝利となった。政治経験がなく、不動産王と呼ばれるビジネスマンが世界で一番影響力のある、国家元首に就任した。接戦も予想されたが、最終的にはクリントン女史の優勢は揺るがないだろうと言う報道がなされていた。プレス関係も、クリントン女史の大統領就任は間違いないと思って、それに合わせあて準備をしていたようである。

 報道同折に行かなかった選挙で、イギリスのEU離脱問題があった。なぜ報道機関が事前調査や出口調査を実施しているにもかかわらず、予想とは反対になったのかはこれからまだ分析が必要であろう。

 問題なのは、報道機関が予想出来なかったことではなく、トランプ氏は明らかにポピュリストだと思われることである。イギリスではEU離脱が夢のように語られたが、選挙の後は離脱派の多くは政界を去り、今EUの離脱交渉を進めているのは、元々残留派だった保守党のメイ女史である。国民に取って都合の良い政策ばかりを進めることができるであろうか?

 日本の民主党政権はポピュリスト政党と言っても良いのではないだろうか?子供手当や仕分け、高校の授業料無償化、高速の無料化やダムの工事の凍結など....一部の政策は当を得たものもあったが、最後は野田政権が消費税引き上げを争点に解散総選挙を打って出て、惨敗してしまった。国民は政権交代のコストの高さを実感し、良くも悪くも現在の安倍長期政権へと繋がっていった。

 共和党でポピュリストで保護貿易主義者?のトランプ氏が大統領になる。移民反対や、大規模な減税、アメリカ国内の雇用創出など、国民の人気取りのような政策が並ぶ.....本当に大丈夫なのであろうか?

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