この春いよいよ北海道新幹線が開通した。これにより鹿児島から北海道まで新幹線で結ばれることとなった。1964年に新幹線が東京大阪間に走るようになって50年以上経過し、青函トンネルも当初から新幹線を通すことで企画され、整備新幹線から40年以上立った今年、日本列島が新幹線で結ばれることとなった。

 おめでたい感じもあるが、新函館北斗は函館市街からとても離れていて、函館とは名ばかりでとても函館駅とは言い難い。さらに青函トンネルの構造的な安全面を考え、東京函館間の所要時間は4時間を超えてしまった。本数も1日10往復程度と、新幹線は開通したとはいえ手放しで喜べないような状況も感じられる。

 九州では長崎新幹線が当初の予定より官製が大幅に遅れる予定になっている。さらにフリーゲージトレインという在来線を利用した中途半端な新幹線である。新幹線が開通しても博多長崎間は特急で2時間半程かかるものが、30分程度しか短縮されない。さらに、新幹線の開通した地域の多くで在来線が縮小され、通勤通学の足も奪われると言うことにも繋がっている。鹿児島本線は鹿児島までいかなくなり、中央本線も高崎までしか行かなくなった。18切符も新幹線が利用出来ないため、いけないところがどんどん増えている。

 新幹線は速くて便利である。新幹線は国鉄時代もJRの時代もドル箱路線であった。今から開通する新幹線は地方で高額な建設費のかかったところばかりである。日本全体の人口も少なくなり、過疎化もいっそう拍車がかかるであろう。安易な利用計画を元に、新幹線を拡張させると、国鉄時代の在来線や、高速道路のように不採算路線となりかねないのである。

 

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