2017年が幕を開けた。大発会では幅広い銘柄が買われ、今年の先行きが楽観的な見通しであることを示唆している。今年は景気の良い年になるのであろうか?

 ここのところの株高円安はトランプ相場と呼ばれている。今年1月にアメリカ大統領に就任するトランプ氏はアメリカファーストを掲げ、アメリカの国益になることを優先政策に掲げている。そのためTPPも破棄されるという見通しである。トランプ氏がアメリカの利益を第一に考えているので、新興国をに集まっていたお金が、アメリカに逆流しつつある。昨年、イギリスのEU離脱問題などでは、世界経済の先行き不透明感が強まったときは、比較的安全とされる円やスイスフランが買われ、急速に名円高が進んだことが記憶に新しい。

 現在基本的に先進国はどこでもデフレに苦しんである。金利もゼロ金利やマイナス金利に張り付いたまま、その出口が見いだせないでいる。唯一アメリカは経済が好調で、イエレンFRB議長の下昨年に利上げが行われた。今年も複数回の利上げが予定されている。逆に言えば、今のアメリカは利上げ出来るほど経済が好調なのである。

 注意しなければならないのは、中国やロシアやブラジルなどの新興国からアメリカに膨大にお金が流れ込んでいる。中国は元安に苦しむようになり、外貨準備高を取り崩しながら、為替政策を行っている。アメリカの繁栄が、新興国の経済まで波及すればよいのであるが、中国経済は明らかに不安要素である。中国のバブルがはじければ世界に及ぼす影響は大きいであろう。

 トランプ氏はロシアは親しく、中国とは一線を画したいようである。2017年の始まりは、経済的には明るい兆しが見られるが、これから先アメリカを中心に世界経済が安定的に発展出来るだろうか?トランプ新大統領の手腕にかかっている。

 

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