導入に当たって

 学校現場では評価制度が導入されている。具体的に言えば教育目標、教育内容、進路指導、学校行事などについて、保護者や生徒、地域や同窓会などから意見を聞き、教育内容に反映させていくというものである。その際に求められているのが、数値で表されるものは極力数値化することである

 今回導入の直接のきっかけとなったのは、生徒からの授業アンケートだった。生徒一人ひとりから各授業の担当者ごとに授業の評価を記入したものを集約したのであるが、その集計作業に困難を極めたからであった。生徒一人あたり、100項目くらいあり、生徒一人ひとりが選択している科目も違い、さらに同一の科目でも担当者が違ったりして、全生徒1000人分のアンケートを集約するのに数ヶ月を要した。教師として日常業務をこなしながら1クラス分を入力するのに2時間から3時間ほどを要し、確認しながらの入力は大変な作業であった。

 当初はマークシートリーダの専用機の導入を考えたのだが、一番安いと思われるセコニック製のものでドライバを含めると40万円以上セコニック社ホームーページ)かかるし、さらに光学機械なので保守契約を結ばないと難しいと考えられた。さらにマークシート用紙が汎用のもので1枚20円程度かかり、1000人のアンケートを取るとそれだけで2万円もの金額となり、財政難の折、とてもそんな費用がかかるものを公立の学校で導入できるわけがないと思われた。

 そこで、普通紙マークシートを導入しようと情報を収集し始めた。平成14年6月頃のことであった。ホームページで探す限り、学校現場での普通紙マークシートの導入事例はほとんどないので、自分で情報を収集しなくてはならなかった。ソフトについては2つ、リコー製のRidoc(リコーのホームページメディアドライブ製のWinReaderHandS(メディアドライブのホームページであった。価格は両方とも30万円。マークシートの読み込みはコピー機(複合機と呼ばれているもの)を使うこととし、コピー機会社のリコーゼロックスミノルタの3社から入札し、ソフトとの整合性を確認しながら導入にこぎつけた。コピー機にはもともと保守契約が付いているので、リース料を支払えばスキャナーとしてのコストはゼロで、故障しても無料で修理してもらえるし、学校で導入するにはベストであると思われた。

 ソフトの導入については、リコーのRidocについては支店からソフトの説明のために4人の方に来校してもらった。WinReaderHandSについては、デモソフト(製品と全く同じもの)を1ヶ月間借りることが出来た。性能的にはどちらも優秀だったが、OMR機能について採点などに使う場合はどうしてもRidocでは使いにくい面が合った点と、サポートについてWinReaderHandSの製造元のメディアドライブ社のサポートが購入以前の段階から全ての疑問に電話で即座に対応してもらった点を評価し、最終的にWinReaderHandSを導入することに決定した。

 コピー機についてはリコーのコピー機がやや性能的に優位であると思われたが、最終的にはリース料金が一番安かったのが決め手になった。特にWinReaderHandSとの相性面などのサポートが一番よく、このプロジェクトの為に1ヶ月以上デモ機を貸してくれたこともあり、富士ゼロックスのDocuWorks402FSに決定た。(富士ゼロックスのホームページ

 

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