発行:ロケット新聞 WEB出版部
編集者:Morry 森田 / 林 ヒデオ

創刊号
(1999年7月11日発行)


ロケット新聞創刊の辞

喜ばしいことに本日ロケット新聞創刊発行とあいなりました。これも皆様のご指導ご鞭撻の賜物であります。ありがとうございました。さて同時に歌謡ユニット「ロケット新聞」も発進することになりました。あの伝説のバンド「産業ロックス」の活動停止から一年、主要メンバーであったMorry森田、林ヒデヲに橋本久美を加えた三人がロケット新聞の販売員となったのです。「ロケット新聞」は「産業ロックス」の後継となるグループではありますがコンセプト・演奏形態等別物であると言ってよいでしょう。 女性(ボーカル)一人に男性二人という組み合わせは最近多く、「ドリカム」「マイラバ」「ELT」など数多々存在します。同期物世代の量産音楽作成単位といったところでしょう。

リズム担当員は在籍しておりません。そのためリズム等はプログラムになりますがそのおかげで多彩な曲調に仕上げることができました。また以前から歌謡曲に力を入れていましたが、テクノ風のアレンジを加えるなど非常にユニークな作品に仕上がっています。ぜひ今後ともロケット新聞をご愛読いただきますようお願い申し上げます。

ライブ解説

今回演奏する曲目については、その多くをすでに以前にライブで演奏してはいるのだがドラムがいない形態では初めてである。数曲で、Morry森田(べえす)がシンセサイザーおよびボコーダー(電気的な音程と人間の声を融合させる電気楽器)をプレイする。(Morryのライブハウスデビューはキーボーディストとしてのステージだったのだ。今を去ること16年前、京都は「サーカスサーカス」でのハナシである。) さらに、小学生でも出来るかっこいい楽器「ピアニカ」もプレイする。

「恋の花咲く法善寺」はテクノ歌謡というかダンス系演歌というか呼び方はわからないのだがそんな感じ。「東京箱入娘」「好いたらしい人」「夜の中之島」も歌謡曲系だがちょっと雰囲気は違っている。「Friday Night Fever」はその名から想像できるとおりディスコ、「愛してだまして」はメロディーが希薄、「地球の終わり〜」はボサノバ風、「老木」はなぜかボーカルが林ヒデヲである。このほかにも、「ハーバーライト神戸」「サラリーマン」「職業婦人哀歌」「無意味音頭」「文化の歌」等々演奏したい曲はあるのだが次回のお楽しみということで。

橋本久美加入か?

さる筋からの情報によると、結構最近ロケット新聞に橋本久美がボーカルとして加入したらしい。これまでバンドの経験がなく、「好きな音楽は」と聞くと、「あんまり音楽を聴いたことがない」と応えたという。関係者も困惑を隠せなようだ。引き続き情報を収集し次号では詳細をお伝えしようと思う。



エッセイのコーナー

夢見る中年

-1前置き-

 夢には、2とおりの意味がある。ひとつは、「将来実現したいと思うような妄想」もうひとつは、「睡眠中の脳味噌整理中に見えてしまうモノ」、どちらも幻想であるということにかわりはない。その考え方からいえばこの世の中を知覚していると思っているのも、理解していると思っているのもすべて幻想である。「実現したい妄想」も「睡眠中の夢」も「現実という幻想」も似たり寄ったりなのである。

ただ、何故現実を重視するかといえば、「そういう約束事をつくっておかないと危なっかしいしまどろっこしいし面倒くさい」という程度のことなのでしょう。この「現実という幻想」、各人共通する部分がありながらも(だから「法律」や「掟」という形で明文化できる)、おそらく人によってかなり違うわけで、あまりまわりの人とかけはなれていると「危ないヤツ」になってしまう。 (心理学専門の方、これ見て「まちがっている」とかおこらないでちょーだいね)

こういうわけで、このエッセイは私が書く以上、私の幻想以外の何物でもないから、一切感化されぬよう、気をつけるべし。

-2夢をあきらめないで-

昔々、岡村孝子が好きだった。彼女は何曲も曲を作っているが、歌詞とアレンジと若干リズムやキーが違うだけで、メロディーはほぼ似たり寄ったりである。古いアルバムも新しいアルバムも全く変わりはない。そして、声量のない声である時は「暗い」またある時は「糞ポジティブ」な歌詞を歌い上げる。しかもライブの後半は涙を貯めながら。糞ポジティブな歌詞も、彼女にかかるとそれほどポジティブじゃなくなる。その加減がよかったようだ。決して涙に感動するわけでも、歌詞に共感するわけでもない。涙を流して歌う彼女に感激したわけでもない。(でも、年の割に可愛いなとは思ったりはしたが)ただ、「今時こういうのってありなのねー」っていう見事なミスマッチの珍しさにひかれたのかもしれない。もっとも、BGMとしては最適だった。活字になったのを読んだら気恥ずかしい歌詞も、あの声で歌われると薄まってしまうし、アレンジはキレイキレイで、リズムも同期モノつかいまくっててナウかった(死語!)し。

その後、彼女の歌をほとんど聞かなくなってしまったのは、単純に「飽きたから」でしょう。あと、年をとるにしたがって私の「趣味」がスリムなおねえさんより、ポッチャリタイプ好きに変わってきたのもあるかも。「あなたの夢をあきらめちゃって、全然イケていないジジィが好きだわあ」こんな歌詞、パンクロックにしてうたってくれたなら、惚れなおすかも。



ハラワタ(腸)

ある日ふと「自分自身の煮えくり返ったハラワタを食べてみたい」と思った。とはいえ、煮えくり返った自分のハラワタを食することが簡単ではないということにすぐ気がつく。しかし私は何としても「煮えくり返ったハラワタ」を食したかったのである。

まず、知り合いで融通のきく医者に「腹かっさばいて腸の一部を切り取ってくれ」と頼んだ。当然すんなりとは了承しなかったので幾許かのお礼を約束しつつ執拗に頼み込んだのである。次に、ハラワタの煮えくり返る状況に自分を追い込んだ。この方法については今は書きたくない。なぜなら書くことでまたハラワタが煮えくり返ってくるからである。ハラワタが煮えくり返ったところで以前頼んでおいた医者のところに駆け込みハラワタを摘出してもらった。ついでに胃の一部、十二指腸の一部なんかも取り出してもらった。これはまさに「断腸の思い」であった。ここですぐさま食したいところだったのだが、さすがに腹部を17針縫ったばかりの状態では激痛を伴うので傷が癒えるまで一週間我慢することにした。傷は完全には閉じなかったがまあなんとかなるものだ。不安のある人はもう少し我慢するべきだろう。

さあ、やっとその時が来た。

1 アルコール漬けにしておいたハラワタをよく水洗いする。
2 ねぎ、大根、こんにゃく、などお好みの野菜などを用意する。
3 土鍋を用意し昆布とかつおで味付けた出汁を熱する。そう、煮えくり返るまで!
4 後は野菜やハラワタを突っ込んで食べるだけだ。

煮えくり返った土鍋の中で煮えくり返っていたハラワタが踊っている。
なんと食欲をそそられる光景だろう。いただきます!

ぜひ皆さんもお試しあれ。