種子島’96/10/17,18

宇宙航行ADコース Gr C 

PHOTO/N.KIZAKI, EXP/KAKIMOTO & GROUP MEMBER

・鹿児島から空路種子島へ………………・YS11上空から...

鹿児島空港 ys11

(ジェットフォイル“トッピー号”という足もあります。鹿児島,宮崎から)

種子島空港では、H−2ロケットがお出迎え。


種子島の地図

JTBポケットガイドシリーズ南九州・奄美P97より

種子島の形 


・種子島宇宙センター(宇宙開発事業団パンフレットより)

 ここは種子島の面積の約1/50とのこと。ちなみにNASAのケネディ宇宙センタは種子島とほぼ同じ面積らしい。中身は凝縮。

近々、固体ロケットの工場は島内に移設してくるとのこと。

TNSC

竹崎指令管制

ここは竹崎射点で打ち上げられるロケット(最近はTR-1A)の管制を行う。

建物の1Fが管制室となっている。前列には9人分の席、後列には10人分の席が配置されている。前列は時刻、放送担当、外部統制主任、射場主任の席で、後列は打上げ主任、ロケット主任、衛星主任、実施責任者の席。

前面のパネルは時刻表示、ロケット、衛星名称の表示、射点のモニタ、発射シーケンスの状況画面表示、発射後のロケット位置の画面表示が配置。

発射3分前からは自動シーケンスに移るため、何らかの異常があれば自動で秒読みがストップする。

発射後はクリスマス島の管制所と連携をとる。

建物の2Fには気象情報のデータを入手するフロアになっているらしい。 

竹崎の小高い丘から竹崎射点、大崎射場を見渡す

管制所近くのH−2の原寸模型

 H−2模型

竹崎射場はセンタ入口や管理棟に近いことから、敷地の整備が良く、野球グラウンド、ショートコースがあり、芝生の真ん中にはH-Uの模型が置かれている。センタ内の道はふだんは一般の人に開放しており観光客が模型の前で写真をとっていた。海はきれいだが遊泳はできるのだろうか。

管理棟近辺はH-U打ち上げの吉信射点から約3.5kmの位置にあり、H-U打ち上げ時にはマスコミ他の関係者はこの辺りから射場を見守る。


竹崎射場の丘から

手前に竹崎射点、海越しに大崎射点、吉信射点を見渡すことができる。竹崎射点からは毎年TR-1Aが打ち上げられている。

海越しの写真

近くに固体ロケット地上燃焼試験場があり、H-Uの固体ロケットブースタ(SRB)の燃焼実験を行う。


宇宙開発展示館内

H−2メインエンジン(LE−7)           LE−7の超高圧ポンプ

  

他に人工衛星の打ち上げから軌道修正までをパソコンゲームで体験!!!


大崎射場

H−1ロケット用に使用された。現在は、改修しJ1ロケットで使用

組立、整備、点検、打ち上げを全て1カ所で行う。打ち上げの際は作業台が移動しJ-Tが姿をを表す仕掛けになっている。近くに気象観測塔があり、夏場の雷には注意している。雷警報が出た場合、全員避難!!!!

H−1に使用されたLE−5エンジン

LE−5


吉信射点(H−2)

大崎射点からわずかのところに吉信射点の入口がある。その直前の左手にLE-7の燃焼試験場がある。現在は1段エンジンの領収試験用に使用している。

吉信射点の入口すぐに整備組立棟(VAB)、発射管制棟(B/H)などの作業の主体部が集中している。VABではSRB、1段、2段エンジンを移動発射台(ML)上で組立てる。MLには車輪が着いており、VABでの作業終えたH-UはMLにのせられたまま約500m離れた射座点検棟(PST)まで30m幅のレール上を移動する。500mの移動に約90分を要する。

整備塔(VAB)            発射台(PST)

 ロケット移動 発射台

PSTは小さな半島の先端に位置しており周囲3方は海である。残り1方向がVAB方向となる。発射前に再び可動部が観音開きとなり、海を背にして姿をあらわす。打ち上げ時にはおびただしい水蒸気等が発生する。PSTの真下には深さ約30mの穴があり反対の海側へと燃焼煙をガイドする。打ち上げ時の燃焼温度は3000°Cに達し、射座付近の木々は焼けてしまう。

PSTのすぐ横に30mの塔がある。これは打ち上げ時のロケットの状態をモニタするカメラを設置するものである。打ち上げ時には発射管制棟を除き半径3kmの範囲に人が入ることは許されない。

PST

射点西側を望む            発射台の上部とその眺望          射点から東側を望む

                                              (見えるのは大崎射点)

H−2WESTH−2TOPH−2EST

吉信射点管制棟

VABの横にある8角形型の建物が発射管制棟(B/H)である。射座まで距離的には500mであるが丘があり射座の全ては見えない。

内部は約120人収容できる。打ち上げ前から各作業に状態を指揮監視し、打ち上げ時には全ての現場作業員を収容する。何らかの事故があった場合、ここには120名が4時間の避難をできるだけの能力を備えている。また地下通路を使い250m離れた地点への避難通路を確保している。電力は打ち上げ前よりセンタ内の発電所からの自家発電により供給され、不意の停電を防止している。

発射管制  吉信管制


衛星組立棟の横を横切ってロケット打ち上げ体験館(旧大崎指令管制棟)

ロケットに搭載する衛星の組立はやや先に行った丘の上にある衛星組立棟で行う。その隣には衛星フェアリング組立棟があり、ここではじめて衛星はフェアリングに納められる。衛星メーカが行く機会が最も多いと思われる場所である。現在、衛星組立棟は増築工事中であった。

旧大崎指令管制棟は現在はロケット打ち上げ体験館として一般に公開されている。場所は大崎射点よりも山側に1km程度入ったところでここからは全く射点は見えない。これを建てた頃にはロケットの安全性がまだまだ不明であったため、危険を避けていたと思われる。現在の大崎管制棟は射点のすぐ近くの位置している。

打ち上げ体験館

打上体験館  体験管制


種子島の夜明け(南種子町)



増田追跡管制

追跡管制所は打ち上げ時のロケットのテレメータデータの受信、ミッション中の衛星の姿勢、電力の管制を行う。

NASDAは増田の他に沖縄、勝浦、キルナ(スウエーデン)に管制所を持っている。現行のミッション衛星の管制を筑波の中央追跡管制所が各管制所に振り分ける。毎週木曜日1週間分の予定が言い渡される。重要監視衛星(例えば打ち上げ直後の衛星)は2カ所の管制所で行うこともある。この場合、1カ所がデータの送受信を行う主局となり、他方は受信だけを行う従局となる。各管制所は同時に2つ衛星を追尾できるように2セットずつ設備を持っている。

41日の回帰軌道をもつ衛星の場合、国内の管制所では、1パスが30分程度で朝4パス、夜4パスしかデータの送受信を行うことができない。これに対し北極に近いキルナ管制所では極軌道をとおるものは、1日の多くの時間を管制に使うことができる。

増田と筑波のデータ回線は128kbのデジタル専用回線を使用しているがバックアップがない。現在はISDNを考えているが64kbでパケット通信の為、通信に支障を来す恐れがある。

先にも書いたが増田にも2系統の管制設備がある。F-1、F-2とよばれ、現在F-1は周回衛星のJERS、ADEOSを管制している。F-2は静止軌道衛星を管制している。管制フロアの割には設備が少なかった。これは、昔の衛星は機能が不足していたため地上設備を多く必要とし、従ってフロアもたっぷり必要としていた。しかし、時代とともに衛星へのオンボードコンピュータ化が図られ、地上設備を必要としなくなった。打ち上げられる衛星の数は増えているにもかかわらず、増田の地上設備は減少している。そのうち必要ではなくなる日が来る???。

追跡管制F1,F2


追跡管制F1(JERS−1など管制)     F2(生き続けるETS−5を管制)

 

                          設計寿命は、程々に。


さようなら種子島(西之表北側TOPPY号より)

   


UP DATE ‘96/10/31

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