救世主


『早く爆弾を落とさなければ
手遅れになってしまう

世界中に溢れかえったバケモノを
皆殺しにするんだ』


僕達は歩くことをやめてしまった
誰も知らなかったんだ
それでいいと思っていた

でも本当はそうじゃない
僕達はもう歩けないんだ


『立ち止まった俺達は
先へ進む事は出来ない
後ろに戻る事も出来ない

ここから動けないまま
時とともに崩れゆき
やがて何もかもを
忘れてしまうだろう』


やがて君の言葉の通りに
全てのものが狂い始めた

まるで悪夢のように
バケモノは増殖を繰り返し

奴達はさも得意げに
自分達が貪り尽くした
可哀想な亡骸を踏み潰す


『早く爆弾を落とさなければ
手遅れになってしまう

世界中に溢れかえったバケモノを
皆殺しにするんだ』


どんなに壊れてしまっても
君の顔だけは忘れないから

君が救世主になって
僕を殺しに来るのを
待っているから

人類の最後は、いつ、どんな風に訪れるんでしょうね。

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