砂時計


『サヨナラ』

悴んだ唇で
僕が呟いた時

君がほんの僅か
顔を歪ませた気がした


君の傍に居続ける事を
放棄するしかなかった

君が壊れていく事を
僕には止められない


最後の夜
震えながら膝を抱えて

ロザリオを数える
君の白い指先を
ずっと見つめていた


君は空を指差す
その先には何も無い事を
僕は知っていたけれど

全ての結末が
君には分かっていたのかもしれない


君だけが幸せになればいいと
心から願っていたのに

こんな思いをするなら
君に出会わなければよかった


『サヨナラ』

震える唇で
もう一度呟く

君の面影が僕の体に爪を立てて
いつまでも消えない

こんな思いをするなら
君に出会わなければよかった


『サヨナラ』


それでも今

君に会いたい

砂時計持ってますか?最近はあまり見かけませんね

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